米国体操連盟のチームドクターの立場を利用して25年以上にわたって女子体操選手ら数百人を性的虐待し、事実上の終身刑に処されたラリー・ナッサー受刑者が、収監先の連邦刑務所で刺される事件が発生した。AP通信が伝えた。
事件が起きたのは、フロリダにある警備レベルが「ハイセキュリティー」とされるコールマン連邦刑務所。情報筋によると、ナッサー受刑者は他の受刑者から背中や胸を複数回刺された。月曜日の時点で、容体は安定しているという。
連邦刑務所をめぐっては、長らくずさんな管理体制や人員不足の問題が叫ばれている。
2019年のジェフリー・エプスタイン元被告の自殺をめぐる状況を調査した司法省監察官室は、先月公表した121ページにおよぶ最終調査報告書で、施設の人員不足、自殺の危険のある収監者の管理、監視カメラシステム、連邦刑務所局の方針と手続きの軽視といった以前から指摘されてきた問題が、改めて特定されたと指摘した。看守が義務付けられた巡回を怠った点を含む数々の問題を挙げ、職員に重大な不正行為があったとした。
先月10日には、20年以上服役していた連続爆弾魔「ユナボマー」ことセオドア・カジンスキー受刑者(81)が、ノースカロライナの収監施設で自殺をはかり死亡した。
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