カリフォルニア州で8日、公園で寝泊まりしていたホームレスの女性が、草刈り機にひかれて死亡する事故があった。駆けつけた親族は、辺り一面に、肉体の破片が散らばっている「恐ろしい」光景を目にしたという。
亡くなったのは、クリスティーン・チャベスさん(27)。この日の昼頃、モデスト市にあるビアード・ブルック・パークの生い茂った草むらに横たわっていた。
地元テレビ局Fox 40などによると、草刈り機をつけたトラクター「ジョンディア」に乗った作業員は、人が寝ているのに気づかず、雑草を刈った。「通り過ぎた後、人体に気がつき」、すぐに緊急通報したが、チャベスさんはその場で死亡が確認された。
モデスト市警察の報道官は、「悲惨な事故」と発表している。
事故の知らせを受け、公園にかけつけた姉妹のロサリンダさんは、肉片が散らばった公園を見て、「恐ろしい(光景だった)」と振り返り、「草で覆い、そのまま放置していった」と、市のおざなりな対応を非難した。
父親のクリストファーさんはその場で、娘の頭部や骨、歯を拾い上げたという。娘がホームレスであったことから、ぞんざいに扱われたと主張している。
チャベスさんは数年間、公園で寝泊まりしていた。9歳の娘がいたが、別の場所で暮らしているという。
遺族は、ホームレスであっても、このような扱いを受けるべきではないと批難。娘の悲惨な死に、正義を求めた。市に対し、シェルターや、アフォーダブルハウジングの建設など、ホームレス対策を強化するよう訴えている。
東京ドームほどの面積の公園は、有名なワイナリー「E&J ガロ・ワイナリー」が、事故の前日に所有権を取得していた。前のオーナーは、公園の整備を放置しており、多くのホームレスが寝泊まりしていたという。
所有権を所得した翌日、造園業者が草刈りを始めた矢先に事故が起きた。
同社は、チャベスさんに対し「心からの哀悼の念をささげる」と声明を発表。捜査に、全面的に協力するとしている。