チキンナゲットで子どもがやけど、マックに1億円超の賠償命令

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マクドナルドのチキンナゲットで、子どもが負傷した事件で、フロリダ州ブロワード郡の陪審は19日、米マクドナルドとフランチャイズ運営会社アップチャーチ・フーズに、80万ドル(約1.1億円)の損害賠償金を支払うよう命じた。

事件があったのは、2019年。母親のフィラナ・ホームズさんは、タマラックにあるマクドナルド店のドライブスルーで、子どもたちに「ハッピー・ミール」を購入。後部座席に座っていた娘のオリビア・カラバロちゃん(当時4歳)に手渡したという。

娘の叫び声を聞いた母親が、車を停車すると、ナゲットが足の上に落ち、太ももとシートベルトの間に挟まっていたという。オリビアちゃんは、これにより「II度のやけど」を負った。

家族は、「不当かつ危険な」ナゲットを販売したとして、1,500万ドル(約20億円)の損害賠償を求め、マクドナルドと加盟店を提訴。今年5月、責任は米マクドナルドと加盟店にあると評決が下されていた。

CBSニュースによると、母親は裁判で、店側は、ナゲットが異常な温度になっていると一度も警告しなかったと主張。これに対し、マックらの弁護団は、食品安全規則に従っており、サルモネラ中毒を防ぐために十分に加熱していると説明し、ドライブルーで手渡した食品については、なすすべがないとした。

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ナゲットで娘が負傷したことは双方が認めたものの、提供したナゲットの温度については、意見が分かれ、原告は93℃を超えていたと主張したのに対し、マック側は71℃以下だと反論した。

また同社の弁護団は、子供のやけどは治癒するのに3週間かかったが、その後、不快な症状はおさまったと指摘。親子は、現在もマクドナルドのドライブスルーを訪れ、ナゲットを購入していることから、「娘はけがのことを気にかけておらず、責任は母親にある」と主張していた。

裁判では、オリビアちゃんのやけどの傷や、負傷時の叫び声なども公開されたという。

評決を受け、母親のホームズさんは会見で「オリビアの主張に耳を傾け、公正な判断が下され、満足している」「正直期待していなかったので、十二分であり、ハッピーだ」と語ったという。

「コーヒー裁判」を彷彿

CBSニュースは今回の評決について、90年代に起きた「乱訴に関する都市伝説となったコーヒー裁判」を思い出させると伝えた。

1992年、ステラ・リーベックさん(当時81歳)は、ニューメキシコ州にあるマクドナルドのドライブスルーでホットコーヒーを注文し、クリームを入れようと蓋を開けたところ、コーヒーが膝の上などにこぼれ、III度のやけどを負った。

リーベックさんは当初、入院費用など治療にかかった2万ドルをマクドナルドに請求したが、同社が法廷闘争へと持ち込んだ。

裁判で陪審は、マクドナルドに、懲罰的損害賠償として270万ドルの賠償金を支払うよう判決を下した。判事は、賠償額を48万ドルに減額したが、同社の行為を「故意的かつ理不尽、無神経」などと非難したという。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。