米国を訪問中のウクライナのゼレンスキー大統領は、国連総会で演説をした翌日、マンハッタンのミッドタウンで米財界の大物らとの会合に出席し、自国の再建について話し合ったという。
米メディアが伝えたところによると、会合は米国最大の銀行JPモルガンチェースが主催し、出席者リストにはグーグルの元CEO、エリック・シュミット氏、ブルームバーグの創業者でニューヨーク市長を3期務めた億万長者、マイケル・ブルームバーグ氏、NFLのニューイングランド・ペイトリオッツのオーナーのロバート・クラフト氏、パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントのCEO、ビル・アックマン氏ら数々の大物が名をつらねた。
ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官、投資ファンド、スターウッド・キャピタル・グループの会長兼CEOのバリー・スターンリヒトのほか、非営利団体「ワールド・セントラル・キッチン」(WCK)の創設者でセレブシェフのホセ・アンドレス氏も招かれていたという。
なおJPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは出席しなかった。会合は資産運用部門のトップ、メアリー・キャラハン・アードス氏らの考案によるもので、情報筋は、戦後またはその前に民間資本を使って国を再建する方法を議論するために催されたとしている。
なおFOXビジネスは今年2月、JPモルガンの代表者がウクライナを訪れ、ゼレンスキー大統領や政府高官らと200億~300億ドルの民間資本をシードとするファンドの創設を話し合い、覚書が交わされたと伝えていた。ゼレンスキー氏は代表者らの助言に受け身で、西側諸国の支援がいつか終わりを迎え、リターンを求められる民間資本に頼らざるを得ないことを理解していたという。
ゼレンスキー氏はまた、20日の会合の数時間前、世界最大の資産運用会社ブラックロックのCEO、ラリー・フィンク氏とも面会したという。同氏は昨年9月、フィンク氏とオンラインで会合し、経済復興のためのファンドの創設について同社が無償でアドバイスを提供する方法を話し合ったと発表していた。
21日、ゼレンスキー氏はホワイトハウスを訪れ、バイデン大統領と会談した。バイデン氏は3億2,500万ドルの追加軍事支援を発表。「大砲、弾薬、対戦車兵器を含む、ウクライナへの米国の安全保障支援の追加を承認した」と述べ、「来週、最初の米国のエイブラムス戦車がウクライナに引き渡される予定だ」と明らかにした。