全国の州議会議員を代表する超党派の組織、全米州議会議員会議は25日、州によって認可された大麻関連企業やその従業員に対する金融サービスの提供を可能にすることを目指した法案「Secure and Fair Enforcement Regulation Banking Act of 2023」(略して SAFER Banking Act)の支持を表明した。
法案は先週ジェフ・マークリー議員(民主党 オレゴン)とスティーブ・デインズ議員(共和党 モンタナ)によって提出されたもので、今週水曜日に上院銀行委で審議がはかられる。
州議会議員会議議員の代表、ティム・ストーリー氏は声明で、「合法的な大麻事業者が連邦銀行システムの金融サービスを受けられないことは、危険かつ維持不可能な立場を生み出している。法案は合法的な州の事業者に対して切望されていた銀行のリソースを提供することになる」と説明。
「現金取引のみに依存する」大麻ビジネスが「窃盗や武装強盗の主要な標的になり、事業者やコミュニティの安全を危険にさらすリスクが増大している」とした上で、法案によって「安全な環境を作り出し、金融機関が合法的な州認可の大麻ビジネスにサービスを提供できるようになる」と述べた。
現在、医療用大麻は40州とワシントンD.Cで合法化されており、23州とワシントンD.Cでは成人の娯楽目的の使用が認められている。
一方、連邦レベルでは依然として違法であることから、連邦法の規制下にある金融機関は州で認められた事業者であってもサービスを制限している。大麻ショップではクレジットカードが使えず、現金取引が主体となっている。
法案は、大麻関連の事業者と取引をする金融機関に一定の保護を与えることで、大麻事業者や従業員のサービスへのアクセスを容易にすることを目的としている。
法案では、連邦金融規制当局は、州で認められた大麻関連ビジネスに金融サービスを提供していることだけを理由に、連邦法に基づいて金融機関にサービスを禁じたり、預金保険の制限や不利益な措置、是正的な監督措置を講じてはいけないとしているほか、大麻関連事業者から得られた収益をさらなる投資に回すためにサービスを提供することは法的に免責されるといった内容が盛り込まれている。
同様の法案は下院で過去複数回にわたって可決している。上院では両党から反対の声があり、議決に持ち込むのに必要な60票を獲得するのは困難との見方も強い。