イスラム組織ハマスとイスラエルの紛争に関して、同時多発テロ事件で消防士の父親を失ったコメディアンのピート・デヴィッドソン(29)が心情を語った。
ピートは14日、NBCのコメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」のオープニングトークで、「みんなが何を思っているか分かります。これに関してコメントするのに、ピート・デヴィッドソンより相応しい人物はいないでしょう」と前置きし、「多くの点で、私はそれを語るのに最適です。私が7歳の時に、テロ攻撃で父が殺されたから。私には、それがどのようなものか分かっています」と語った。
父親のスコット・デヴィドソン氏は2001年9月11日、ツインタワーの真下にあったマリオット・ホテル(WTC 3)でファーストレスポンダーとして救出活動を行っていた。
ピートは、今週イスラエルとガザで起きた動画や写真を数多く見たことで、「本当に恐ろしい場所に引き戻された」と振り返り、「誰もこのような苦しみを味わうべきではない。特に子供たちは」と語った。
父親を失った後、子供を何とかして元気づけようとした母親は誤って、ブラックジョークと放送禁止用語満載のエディ・マーフィーのスタンダップショー「Delirious」を見せてくれたと明かし、観客を笑わせた。
母親は番組を取り上げようとしたが、自分は再び笑うことができたと述べ、「悲劇を乗り越えるのができるのは、コメディがまさに唯一の方法になる場合もある」と説明。「今夜は、私が悲劇に直面した時に、いつもやってきたことをやります。それは、ウケを狙おうとすること」「”トライ”って言ったこと、忘れないでよ」としめくくった。
15日現在、イスラエルとハマス双方の死者数は3,600人を超えた。イスラエルの政府関係者からは、10月7日のハマスの攻撃を「われわれの9/11」と主張する声も上がっている。
ピートのモノローグに対し、ネットでは「彼はどの米国やEUの指導者よりも人間性と思いやりを持っている。 悲しみと同時に励みにもなる」「今週見たスピーチで最も人道的だった」「喪失を経験した人しかシェアできない」「イスラエルとガザで起きた恐ろしい暴力について投稿する適切な言葉が見つからなかった。想いを語ってくれてありがとう」「これが私たちが回復し、再建する方法だと思う」など、称賛のコメントが数多く投稿されている。