REDFINの分析によると、米国で典型的な家を購入するのに必要な年収は11万4,627ドル(約1,700万円)で、昨年から15%、パンデミックがはじまった頃にくらべて50%以上上昇していることがわかった。
高水準の金利と販売住宅の供給不足による価格高騰が影響した。
連邦住宅金融抵当公庫によると、住宅ローンの金利は5週連続で上昇し、10月12日時点の30年物固定住宅ローンは7.57%に到達。2000年以来の高水準を記録している。
この一方で、住宅価格は高騰を続けている。全米リアルター協会によると、8月末時点の住宅在庫は110万戸で、前年比14.1%減少した。供給水準は現在の販売ペースを考慮すると3.3ヶ月分に相当し、健全とされる6ヶ月を大きく下回っている。在庫不足が価格を押し上げ、8月に販売された住宅価格の中央値は42万ドルで、前年比で3%上昇した。
REDFINの試算では、頭金20%を支払い、中央値の価格の住宅を購入した場合、毎月のローンの支払いは過去最高の2,866ドル(42.9万円)となった。これを収入の30%以内に収めるには、年収11.4万ドル以上が必要となる。国勢調査によると、2022年の実質世帯収入の中央値は74,580ドルで、一般的な家庭にとっては約4万ドル足らない計算となる。
必要な収入の増加は買い替えやローンを必要としない購入者にとってはそれほど問題とならない。しかし、はじめて住宅を購入する人々には大きな影響を与える。昨年のデータによると、初めて住宅を購入するアメリカ人の典型的な年齢は36歳で、前年の33歳から少し後退している。
ニューヨークの場合は年収3,000万円!?
当然ながらニューヨーク市内で購入するとなると、さらなる年収が求められる。
同社の分析ではニューヨークの住宅価格の中央値は72万5,000ドル(1億800万円)で、これを頭金20%を支払った場合、毎月の住宅ローンの支払いは4,943ドル(74万円)。年収では実に19万7,734ドル(2,960万円)が必要になる。この数値は昨年より20%上昇している。
ちなみに分析対象の主要100都市の中で最もアフォーダブルなのはデトロイトだった。ローンの支払いの中央値は毎月1,295ドルで、昨年より19%上昇したものの必要な年収は5万1,793ドル(約775万円)となっている。