Redfinは19日、今年の中古住宅の販売戸数は410万戸のペースで推移しており、2008年に住宅バブルが崩壊して以来最低の水準となるとの予測を示した。
同サイトのエコノミストは、予想より長く高止まりしている住宅ローン金利が購入を遠ざけ、結果として15年ぶりの低水準の予測に押し下げられたと説明。リーマンショック後、一部の地域では住宅価格が前年比30%下落し、スターターホームを取得する機会が生まれたが、今回はそのようなチャンスはないと加えた。
今週、30年物固定住宅ローンの平均金利は8%に到達した。8%を超えるのは2000年以来。米抵当銀行協会(MBA)の18日の発表によると、高水準の金利により住宅ローンの申込件数は1995年以来最低となった。購入のローン申請は前年同週と比較して21%低下、リファイナンスのローン申請も減少した。
購入需要が低下するなかでも、在庫不足により販売価格は高止まりしている。Realtor.comによると、8月の売出し価格の全国の中央値は43万ドルで、前月の43.5万ドルから減少したものの前年比で0.4%上昇。2ヶ月連続で前年を上回った。新築住宅の販売数(全体の14.3%)は増加したが、建設活動は在庫不足のギャップを完全に埋めるほどではないとしている。
価格が下がるには?
不動産会社RE/MAXのニック・ベイリーCEOはU.S.Newsの取材に「需要、金利の上昇、在庫不足が不動産価格高騰の主な要因」と説明。住宅ローンを抱える住宅所有者の90%は金利5%以下で購入しており、そのうちの半数は3.5%以下との推定を示した上で、高水準の金利によって、住み替え希望者が持ち家を市場に出すことを遠ざけていると述べた。
Bright MLSのエコノミストは「家主にとっての重要なしきい値は6%」と指摘。金利が6%まで下がると中古住宅の売り出しが増加する可能性があるとしつつ、「おそらく2024年半ばまで6%を見ることはないだろう」と見通しを語った。