THAADとは?米軍 中東で迎撃能力増強へ

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米国防総省のロイド・オースティン長官は21日、「終末高高度防衛システム(THAAD)」砲と追加の地対空ミサイル「パトリオット」を中東地域一帯に配備すると発表した。

米軍の部隊保護(フォース・プロテクション)を強化するためだとしている。

オースティン長官は、バイデン大統領と「中東地域全域におけるイランとその代理勢力による最近のエスカレート」について協議したと説明。ミサイルの配備のほかに、地中海東部で活動するジェラルド・R・フォード空母打撃群に加えてドワイト・アイゼンハワー空母打撃群の移動を中央軍担当地域に再配置したほか、追加の部隊を配置すると述べた。

国防総省は19日、フォード空母打撃群のミサイル駆逐艦カーニーが、イエメン沿岸付近でフーシー派の武装勢力が発射したミサイルとドローンを撃墜したと明らかにしている。

THAADとは?

ロッキード・マーティンによると、THAADは短・中距離弾道ミサイルの迎撃に効果的で、大気圏外と大気圏内両方の目標を迎撃するために設計された唯一の米国のシステムだという。

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CSISによると防衛範囲は150-200kmで、6.2メートルのインターセプターと呼ぶ発射物と最大で8発を搭載するランチャー、射程870~3,000kmの敵ミサイルを検出・追跡可能なレーダー、砲の運用を監視、制御情報を共同部隊に伝達する通信システムで構成される。インターセプターは弾頭を搭載せず、直接衝突時の運動エネルギーの衝撃によって敵ミサイルを破壊するという。

湾岸戦争におけるイラクのスカッドミサイルの経験を踏まえ、パトリオットを補完する意図で1992年に開発がスタート。2009年に陸軍ではじめて運用に移された。

Military.comによると、THAADは3層から成るミサイル防衛ネットワークの一部で、イージスが宇宙空間での弾道ミサイルの撃墜に失敗した場合、THAADが大気圏に再突入する直前に迎撃する。3つ目の防衛層はパトリオットPAC-3になる。

2019年の時点で、米国本土に7基、グアムと韓国など本土外に3基を配備している。そのほかにレーダー装置を青森県の車力分屯基地、京都府のアメリカ軍経ヶ岬通信所、トルコ東部のキュレジク・レーダー基地、イスラエルのケレン山に配置している。レーダーはサウジアラビアにも設置しているとみられている。

Mashup Reporter 編集部
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