20日、81歳の誕生日を迎えたバイデン大統領はホワイトハウスで感謝祭の式典に出席した。
式典は感謝祭の祝日を前に行われる伝統行事で、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領以来、全米七面鳥連盟から贈呈される七面鳥に大統領が恩赦を与えるのがしきたりとなっている。
演台に立ったバイデン氏は「名誉ある客人を迎えることを嬉しく思う」と述べ、2羽の七面鳥を紹介。「ところで今日は私の誕生日で、彼らは実際に誕生日の歌を歌ってくれた」と話し、「60歳になるのは大変だ」「この式典は76周年を迎える。私は第一回目に出席していなかったということをお知りいただきたい」とジョークを交えたスピーチを行った。
会場は笑いに包まれたが、来年の選挙を控え、大統領史上最高のバイデン氏の年齢を懸念する声が高まっている。
9月のABCニュースとワシントンポスト紙の全国世論調査では、74%が2期目を務めるには高齢すぎると回答し、前回5月の調査よりも6ポイント増えた。
CNNが予備選の初戦州となるニューハンプシャー州の有権者に実施した調査では、民主党の予備選有権者の可能性が高い回答者の56%が、バイデン氏の最大の懸念は年齢だと答えた。
ニューヨークタイムズの世論調査では、6つの激戦州で「有能な大統領であるには高齢すぎる」と考えている回答者の割合は71%に上った。
オバマ元大統領の勝利を支えたことで知られる選挙コンサルタント、デイヴィッド・アクセルロッド氏は今月、X(旧ツイッター)の投稿で、予備選を目前にしてバイデン路線を変更するのは危険であると認めつつ、バイデン氏は再出馬を考え直すべきと呼びかけた。同氏は「最大の懸念は、最大の障害が唯一変えられないということだ」と年齢議論に切り込み、「民主党には多くのリーダーシップの才能があり、これから浮上する準備が整っている」と、他候補者の擁立を支持する考えを示した。
ニューヨークタイムズは昨日の記事で、「世論調査で説得力がないことが一貫して示されている」にも関わらず、バイデンチームは、国内の立法や国際的なリーダーシップの実績が、バイデン氏の「キャパシティ」に対する懸念を払拭するはずだというアプローチをいまだにとっていると指摘した。関係者らの声を交え、「アメリカ史上最高齢の大統領が望む最高の誕生日プレゼントは、有権者の懸念を和らげる戦略だが、それを手に入れるのは困難だ」と現状を評した。