全米オープンテニスのメインコートに、富裕層向けのラウンジ席を設置する計画が進められている。
ニューヨークタイムズによると、米テニス協会(USTA)は現在、老朽化したアーサー・アッシュ・スタジアムの大規模なリノベーションを計画しており、ラグジュアリーシートいわゆる「バンカー・スイート」が新設される予定だという。
USTAが今月10日、過去に高額な座席を購入した人や見込み客約15,000人に向けて、選手との交流会やアーリーアクセス、係員付き駐車サービス、チケットの値段などに関するアンケートを実施したことから、リノベーションを検討していることが明らかになった。
コート脇のシートでは、一流選手のプレーを間近で見ることができるだけでなく、ハイエンドなアメニティを取り揃え、グルメな食事を提供するという。料金は2週間のトーナメント期間中、1人あたり最高17万5000ドル(約2,600万円)とも伝えられている。
アーサー・アッシュは2万4,000人の観客を収容する世界最大のテニススタジアム。2016年に開閉式の屋根が増設されたが、1997年の完成以降、大規模な改装は行われていない。
座席以外には、ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センターの敷地内に、新たな建物を建設し、選手の控え室や事務所などのスペース、駐車場の増設案などもあるという。
ニューヨーク市は USTAにテニス・センターの敷地を貸与しており、最低保証の40万ドルに加え、2000万ドルを超えた総収入のうち1パーセントを受け取っている。 2021年にUSTAから支払われた金額は417万ドルだった。今年のトーナメントでは過去最高の96万人を動員しており、ラグジュアリーシートを導入することで、市の税収も増加する可能性が高いという。
全米オープンテニスのトーナメントには、オバマ元大統領夫妻やスティング、ボン・ジョヴィ、マイク・タイソン、レオナルド・ディカプリオ、ニコール・キッドマン&キース・アーバン、ティモシー・シャラメ&カイリー・ジェンナー、ベン・スティラー、ビル・マーレー、エマ・ワトソン、トム・ブレイディ、マイケル・フェルプス、マーサ・スチュアート、スパイク・リーなど数え上げるときりがないほど超セレブが観戦に訪れる。バンカースイートが販売された場合、即完売するだろうが、気になるのは庶民向けの座席のチケットの値段だ。
テニス・センターのダニエル・ザウスナーCOOは、リノベーションによって、最上階座席のチケット代金に影響を及ぼすことはないと強調している。
テニス界のレジェンド、ビリー・ジーン・キング氏は今回の改装計画について、「議論に関与していない」とタイムズにコメント。スタジアムが現在も「すべてのファンを受け入れ、最も素晴らしい選手を見るためのアクセスと機会を提供していることを誇りに思う」と語っている。