タイム誌は6日、毎年恒例の「パーソンズ・オブ・ザ・イヤー」に歌手のテイラー・スウィフトを選出したと発表したが、米ABCの番組司会者から疑問の声が上がった。
情報番組「ザ・ビュー」の共同司会者のウーピー・ゴールドバーグ氏は7日の放送で、選挙人名簿への登録の呼びかけや、ワールドツアーの経済的インパクトを説明しつつ、テイラーは素晴らしいアーティストというだけではなく、「若い人々を鼓舞し、選挙に行くよう呼びかけるなど、できることはすべてやっている」と述べ、今回の選出を「グッド・チョイス」と評価した。
この発言に対し、共同司会者のサニー・ホスティン氏は「素晴らしいパフォーマーであり、ヒューマニスト、フィランソロピスト、ソングライター」だと称賛しつつ、ハリウッドでストライキを決行した人々や、トランプ氏を訴追した検察官らが、なぜ選出されなかったのかについて疑問を呈した。
同氏は「検察官らは、われわれの民主主義を救ってくれる可能性がある」と理由を加えた。さらに、タイムのモットーは「ニュースとわれわれの生活に最も影響力を及ぼした人物」だと説明。昨年はウクライナのゼレンスキー大統領で、2021年はイーロン・マスク氏だったため、「少し驚いた」と率直な感想を語った。
別の司会者ジョイ・べハー氏は、「トランプ氏のために、この国は非常事態にある」と切り出し、テイラー・スイフトらはその影響力を駆使して、若者にはたらきかけるべきだと主張。「トランプが大統領に就任したら、わが国は後退する。民主主義など存在しない。みなそれを肝に銘じておくべきだ」と語気を強めた。テイラーだけでなく、ブルース・スプリングスティーンやハワード・スターンに対しても、自身のファンに積極的にはたらきかけるよう訴えた。
なおテイラー氏の選出を巡っては、保守派から陰謀説を示唆するコメントがSNSに投稿されている。
右派のインフルエンサーEnd of Wokenessは、Xにテイラーのカルトなファンは「毒入りクールエイド」を飲まされたと主張し、「レジームは2024年(大統領選)に向けて、彼女を兵器化する計画」があるとフォロワーに警告した。
トランプ政権で上級顧問を務めたスティーブン・ミラー氏は「テイラーに起きたことは、有機的なものではない」と投稿した。