ニューヨーク州北部オーバニーにあるシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝堂)付近で7日、28歳の男が発砲する事件があった。連邦政府と州政府当局は現在、ヘイトクライムの可能性で捜査を進めている。
事件が起きたのは午後2時ごろ。ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は会見で、犯人は「脅しの言葉」を発しながら2発撃ったと説明。男は逃走を試みたが、居合わせた人物に捕まえられたあと、駆けつけた警官に拘束された。
地元警察は事件の直前、銃を持った不審な男がいると通報を受けており、現場付近へと向かっていた。
警察によると、犯人は拘束される際、「自分は犠牲者」だと主張し、「フリー・パレスチナ」と叫んだという。男がシナゴーグに向けて発砲したかどうかは明らかになっていない。
事件が起きたシナゴーグ「テンプル・イスラエル」には幼児向けの学校が併設されており、事件発生時には最大で75人の子供がいたと伝えられている。発砲後、施設は一時ロックダウンされた。けが人などは報告されていない。
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逮捕された男の名は、ムフィド・ファワズ・ハディル(Mufid Fawaz Alkhader)。8日、銃器を不法に所持した罪で起訴された。
事件が起きたのは、ユダヤ教の祝日「ハヌカ」の初日だった。ホークル氏は「反ユダヤ主義に関する行為は一切許されない。ハヌカの初日の夜に、シナゴーグの安全を損なうのはいっそう嘆かわしい」と犯行を非難した。
ニューヨーク市のエリック・アダムス市長もXに投稿した声明で、「われわれの街では誰もが平和に信仰を実践する権利を有する」と指摘。ハヌカのイベントや、マノーラ(燭台)が設置される公共のスペースでは、警備をさらに強化すると発表した。