NY市、オーバードーズ対策で小学校にも「ナルカン」配置 議会で可決

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ニューヨーク市議会は6日、全ての公立学校で薬物の過剰摂取(オーバードーズ)に対する解毒剤ナロキソンの配置を義務付ける法案を賛成多数で可決した。エリック・アダムス市長が30日以内に署名した場合、法律が成立する。

市は今年の秋より、高校にオピオイド拮抗薬「ナルカン」の配布を進めてきたが、今回の法律では、小学校や中学校が加えられた。

ニューヨーク市では昨年、オーバードーズによる死者数が前年比12%増加し、3,000人を超えた。2000年の調査開始以来、過去最多となった。死亡者の81%から、フェンタニル(モルヒネの50から100倍強力なオピオイド)が検出されている。

9月には、ブロンクスにある託児所で、4人の子供が薬物をあやまって摂取し、1歳児が死亡する事件も発生している。子供たちが寝ていたマットの近くからは、1キロのフェンタニルが発見された。

市保健局は同月、市に蔓延する薬物危機に対処するため、市民にナルカンを携帯するよう呼びかけた

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なお同局の広報担当者は議会で、ナルカンは、エピペン(アナフィラキシーの応急手当てとして利用する注射)やAEDのように、あくまでも「予防策として」また「緊急の場合」のために配置すると語っている。

Mashup Reporter 編集部
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