15日にいよいよ共和党の大統領候補者選びの初戦となるアイオワ州の党員集会が実施される。
共和党の党員集会が始まるのは午後7時。Axiosによると、有権者は各地域の集会所として指定された学校や教会といった場所に集まり、スピーチを聞いたり、交流したりした上で、非公開の投票を実施する。ちなみに民主党全国委員会は、バイデン大統領の要求を受けて、アイオワのスケジュールを変更。緒戦州から除外した。
初戦として注目を集めるアイオワ党員集会だが、2000年以降の大統領選で、同州を制した後に共和党の指名を獲得したのはジョージ・W・ブッシュ元大統領とトランプ前大統領のみ。2016年の党員集会ではトランプ氏はテッド・クルーズ上院議員に敗れている。
一方、民主党は2020年(ピート・ブティジェッジ運輸相が勝利)と2012年を除いて、アイオワの勝利者が党指名を獲得した。
アイオワ州で勝利し、最終的に大統領になったのはジミー・カーター、ジョージ・W・ブッシュ、オバマ氏の3人のみだという。
共和党に関しては、アイオワに割り当てられている代議員は40人で、全国2,400人の1.6%にすぎない。
それでも各候補者らはアイオワを最重要視しており、NPRは、広告費2億5,800万ドルのうち1億ドル以上がアイオワ州のメディア市場に投じられていると伝えている。とりわけ有力でない候補者にとっては、勢いを示すことでメディアの注目を集め、資金獲得の出発点にもなるという。
世論調査トップはトランプ氏
トランプ氏は各州でトップを独走しており、FiveThirtyEightの各社世論調査の集計によると、アイオワの支持率は51.3%で、2位ヘイリー氏(17.3%)、デサンティス氏(16.1%)を大きく引き離している。
13日に発表されたNBCニュース/デモイン・レジスター/メディアコムによる最終世論調査では、トランプ氏(48%)はヘイリー氏(20%)に30%近くのリードを保ち、同州の最有力候補として不動の地位にあることが示された。
ただし、ヘイリー氏は、翌週に予備選が開催されるニューハンプシャーではトランプ氏を急激に追い上げ、一部の世論調査では一桁台にまで差を縮めている。保守色の強いアイオワで善戦すれば、より穏健派のニューハンプシャーで勝利する可能性も囁かれている。
トランプ陣営もヘイリー氏を警戒しており、最近になって初めて数百万ドルを費やしてヘイリー氏のネガティブCMをニューハンプシャーで展開するなど、昨年の対デサンティス氏からヘイリー氏の勢いを阻止する戦略にシフトしていると見られている。トランプ氏自身、移民の娘のヘイリー氏は大統領に就く資格はないとするデマ、いわゆるバーサー陰謀論をシェアするなど、躍起になっている感も窺える。
天候がワイルドカードになる可能性もある。
国立気象局は13日、北極圏の大気が火曜日まで危険な低温と冷たい風をもたらし続け、体感温度は-35度から-42度になると警告した。同日の気温としては、過去40年で例を見ない厳しさだという。
悪天候により、ヘイリー氏は対面のイベントをキャンセルしたほか、デサンティス氏を支持する特別政治活動委員会はマーシャル・タウンとクリア・レイクで予定していたイベントの延期を余儀なくされた。
The Hillは、トランプ氏は「最も熱心な党員集会参加者の支持」を得ており、天候が有利に働く可能性を示唆している。
トランプ氏自身、13日に公開した支持者に向けた動画で、同日中にアイオワ入りする計画を示しつつ、「いずれにせよそちらに向かう。最悪の天候で、おそらく歴史的な記録だろうが、われわれの支持者は他の者たちよりもコミットしているから、おそらく良いことだろう」と主張。「実際には我々にとっては良いことだ」と、期待を示した。