スヌープ・ドッグがトランプ氏に「愛と尊敬」を表明。ラッパーたちが支持するワケ

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トランプ氏に反対を表明するミュージシャンが大勢いるなか、ラッパーのスヌープ・ドッグがこれまでの立場を一転し話題になっている。

The Hillによると、スヌープ・ドッグはサンデー・タイムズのインタビューで、共和党の大統領候補者争いで首位を走るトランプ氏について、「彼は俺になにも悪いことはしていない。俺にとって素晴らしいことしかしていない」と返答。「彼はマイケル・ハリスを恩赦した」と加え、「ドナルド・トランプに対して愛と尊敬しかない」と語った。

マイケル・ハリスは、トランプ氏が大統領在任期間の最後に恩赦を与えていた。

CBSによると、ハリスはイリノイ州の女性の刑務官を殺害しようとしたとして1988年に有罪判決を受けた。当時被害者は、面通しでハリスを犯人に特定したが、後にその証言を撤回。これを受けて2011年に州の拘束を解かれ、連邦刑務所に移された。連邦での罪は1990年の麻薬取引に関連するもので、2028年まで刑期が残っていた。

ハリスは、スヌープ・ドッグと初期に契約を交わしたデス・ロウ・レコーズが、前進のフューチャーショックから移行する際にサポート役を果たしたという。

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2016年大統領選でヒラリー・クリントンを支持したスヌープ・ドッグは、トランプ氏が大統領に就任して間もなく、トランプ氏風のキャラクター「Ronald Klump」にオモチャの拳銃をつきつける場面を収録したMV「BADBADNOTGOOD – Lavender (Nightfall Remix)」をリリースし、物議を醸した。

これにトランプ氏も反応。ツイッターの投稿で懲役刑をちらつかせて対抗した。

反対派も多いが、スヌープ・ドッグのようにトランプ支持を表明するラッパーは少なくない。

トランプ氏以上に予測不可能な言動で知られるカニエ・ウエストは、2018年にMAGA帽子をかぶってホワイトハウスを電撃訪問した。トランプ氏を前に経済や福祉、刑務所改革などの問題を訴えつつ、MAGA帽子は「俺をスーパーマンのように感じさせてくれるんだ」と持ち上げた。2022年には、トランプ支持であることをめぐって「そんな帽子をかぶっていると殺される」と周囲から警告を受けたと明かしたこともあった。なお、本気なのか計りかねるところだが、2020年に続いて2024年の大統領選にも出馬の意向を表明している。

コダック・ブラックは、昨年3月にトランプ氏が刑事訴追を受けた直後、インスタグラムで「こいつらは、トランプを排除しようとしている。なぜならトランプは真っ直ぐなやつだから」とトランプ氏を擁護。「トランプは本物のやつだ。兵士だ」と続け、「トランプから離れろ」と語った。

コダック・ブラックは先述のトランプ氏の恩赦リストの一人で、当時の発表によると、連邦文書に虚偽の陳述をしたことで46ヶ月の実刑判決を受け、刑期を約半分終えたところだった。減刑の理由にさまざまな慈善活動が挙げられ、決定に際してグッチ・メインやリル・パンプ、リル・ヨッティといった仲間らによる支持があったとされている。

リル・パンプもトランプ支持で知られる。2020年大統領選を前に、MAGAハットを被って、トランプ氏の選挙集会に参加。壇上から支持を呼びかけた。トランプ氏は本人をあまり知らなかったのだろうか。ステージに呼び込む際、「世界のスーパースター、リル・ピンプ」と名前を呼び間違える場面もあった。

TMZによると、新進気鋭の女性ラッパー、セクシー・レッドは、減刑や恩赦、パンデミック中に給付された”フリーマネー”を理由に支持を表明しているほか、チーフ・オキーフは、トランプ氏はブラックコミュニティの支持を得ているとし、有罪判決を受けても刑務所から選挙を戦うことを確信していると語っている。

有色人種の有権者に変化

有色人種の間で不人気と考えられてきたトランプ氏だが、今年は少し様子が異なる。

ニューヨークタイムズが6つの激戦州の有権者に実施した世論調査では、トランプ氏は黒人の有権者の22%の支持率を獲得。バイデン氏は71%だった。

バイデン氏が大きくリードしているが、2016年と2020年の選挙でトランプ氏はともに一桁台だった。過去50年間で、共和党の大統領候補者が黒人票の12%以上を獲得したことはないという。

トランプ氏も自信を示している。

ニューハンプシャー州予備選を前に開いた選挙集会で「アフリカ系アメリカ人とヒスパニック系アメリカ人の両方の世論調査の数字を見たか?」と問いかけ、「それを見たからってそんなに驚いていない。感じているからね」と語った。「2016年に素晴らしい結果を出し、2020年はさらに良い結果を残したが、今回ははるかに熱意がある」と期待を述べた。

AP通信は、黒人有権者の支持は、バイデン氏が圧倒的に高く、トランプ氏が大きく進化していることを裏付ける根拠は乏しいとする一方で、ジョージア、ペンシルベニア、ミシガンといった重要州でのわずかな投票パターンの変化が、選挙戦を予想外の方向に変える可能性があると指摘している。

共和党の予備選は第2回戦を終え、2月のサウスカロライナ州、3月のスーパーチューズデーで最初の山場を迎える。独走状態のトランプ氏にニッキー・ヘイリー氏がどこまで食い下がるか、エンタメ界を巻き込んでますますヒートアップしていきそうだ。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。