バイデン陣営が現在、喉から手が出るほど欲しているのは、テイラー・スウィフトの「エンドース」なのかもしれない。
USA TODAY/サフォーク大学が今月1日に発表した世論調査では、35歳未満の有権者で、バイデン氏を支持すると回答したのは33%で、トランプ氏の37%を下回った。
若年の有権者の21%と、ヒスパニック系と黒人の有権者の20%は、2人以外を支持すると答えるなど、有色人種の間でもバイデン氏に対する信頼は揺らいでいる。これらの票は、第3党の候補者へと流れる可能性がある。
ニューヨークタイムズが29日に報じたバイデン陣営の「対トランプ戦略」によると、選挙対策のウィッシュ・リストに、テイラー・スウィフトをはじめとする超大物セレブやSNSのインフルエンサー、著名な政治家からの支持が含まれていた。
テイラーは現時点で、2024年大統領選についての支持表明をしていないが、2020年はバイデン氏とハリス氏のコンビをエンドースしていた。
タイムズはテイラー・スウィフトについて、選挙に「最も影響力のある」人物としており、「彼女が資金集めを呼びかけた場合、バイデン陣営にとって数百万ドルの価値に相当する」と指摘している。
テイラーは昨年9月の全国有権者登録デーに、2億7,900万人のフォロワーを持つアカウントから登録の手続きを呼びかけたところ、3万5,000人の有権者が新たに登録を行った実績がある。
選挙陣営内部では「ちょっとした冗談」として、現在開催中のワールドツアー「Eras Tour」に、バイデン氏が登場するというアイデアも飛び出したという。
MAGAファンの反応は?
こういった民主党陣営とテイラーの動きに、トランプ氏の支持者の一部は警戒感を示している。
テイラーが昨年、タイム誌の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた際、保守派のインフルエンサーは「レジームは2024年(大統領選)に向けて、彼女を兵器化する計画がある」と主張。トランプ政権で上級顧問を務めたスティーブン・ミラー氏は「テイラーに起きたことは、有機的なものではない」と根拠を示さずに投稿していた。
先日、共和党の大統領候補者争いから撤退し、トランプ氏の支持に回ったヴィヴェク・ラマスワミ氏は29日、Xのアカウントを更新し、テイラーとカンザスシティ・チーフスのトラヴィス・ケルシー選手について「人為的かつ文化的に下支えされたカップル」と述べるなど、2人の交際は大統領選に向けて仕組まれたものとの考えを示唆。今後2人からバイデン氏のエンドースが発表される可能性があるとして、「乱暴な推理ではあるが、この8カ月どうなるか見てみよう」と陰謀論めいたコメントを投稿した。
なお、テイラーは選挙直前の10月、フロリダ州マイアミや南部ルイジアナ州のニューオーリンズ、中西部インディアナ州のインディアナポリスでコンサートを開催する。
2020年大統領選では、トランプ氏がこれらの3州でバイデン氏を破っていることから、選挙戦の終盤でバイデン氏がステージに現れるかもしれない。