4日にラスベガスで選挙演説を行ったバイデン大統領は、2021年にミッテラン大統領と言葉を交わしたと述べ、人々を驚かせた。
バイデン氏は、就任後まもなく参加したG7に触れ、リーダーらに「アメリカが戻ったと告げた」と振り返った。続けて「ドイツのミッテラン」と言いかけたところを、「フランス」と言い直し、「彼は私を見つめて、どのくらい戻るのですかと聞き返した」と語った。
ミッテラン氏は1981年から1995年までフランス大統領を務め、1996年に他界している。
明らかにマクロン大統領と取り違えた発言だが、共和党のテッド・クルーズ上院議員(テキサス)はXの投稿で「バイデンは、シックスセンスの子供だったのか」と揶揄。別のユーザーからも「バイデンには第六感があり、死者としゃべっている」といったコメントが投稿されている。あるユーザーは「バイデンが若い頃にワシントンとビールを飲んで、ブラックライブズマターについて語ったと言い出すのを待っている」と将来の失言を予測した。中には、81歳のバイデン氏が置かれた状況を「高齢者虐待」と指摘する声も上がった。
オバマ氏もかつて「ジョーが物事を台無しにする能力をあなどってはならない」と警告したことがあったといわれるバイデン氏。自ら「失言マシーン」と呼ぶ史上最高齢の大統領が放つ言い間違いは留まるところを知らない。
先週、サウスカロライナ州で開かれた民主党の夕食会で、トランプ氏を「現職」と呼び、ネットの嘲笑の的になった。
昨年9月11日、アラスカの軍事基地で行った演説では、同時多発テロの翌日にニューヨークを訪問し「地獄の門を覗いているようだった」たと振り返ったが、記録ではその日は首都ワシントンの議会議事堂に戻り、議場で話す姿もテレビに収録されていた。
8月、山火事で甚大な被害を受けたマウイ島を訪問したバイデン氏は、被災者を前に「困難を比較したくないが、ジルと私は家を失うことがどのようなものか、少しは理解している」と自宅で2004年に発生した火災に触れ、「妻と67年式コルベット、猫を失うところだった」と振り返った。
しかし、火災は台所ですばやく消し止められた小さなものだったことが判明。被災者に対して無神経だとして、保守派を中心に非難が広がった。
6月、ホワイトハウスのサウスローンで、記者からロシアとウクライナの戦況について聞かれると、「簡単には言えないが、プーチンは明らかにイラクに負けている。国内の戦争に負けている。彼はちょっとのけ者にされている」と真顔で答えた。
同月、コネチカットで銃規制支持者のグループを前に行った演説では、なぜか「女王陛下万歳」と締めくくった。前年9月に他界したエリザベス女王に向けたものか、あるいは前月に執り行われたカミラ王妃の戴冠を祝うつもりだったのだろうか。ジョーの暴走はまだまだ続きそうだ。