ブッシュ政権で次席補佐官を務め、現在共和党のコンサルタントや政治解説者として活躍するカール・ローヴ氏は、オバマ氏の妻ミシェル夫人の出馬の噂について、常軌を逸した主張だと否定した。
SNSには、選挙を前にバイデン氏が出馬を取り下げ、代わりにミシェル夫人が立候補する密かな計画があるなどとする投稿が出回っている。
ローヴ氏は4日のFOXビジネスのインタビューで、バイデン氏の最近の失言の問題に触れつつ、出馬を取り下げる可能性の有無に言及。家族が本人に断念するよう説得するかもしれないとする一方で、それを民主党が許さないだろうと語った。
しかし、番組ホストからミシェル夫人が参戦する噂について聞かれると、トーンを一変。「いやいや、聞いてほしい。彼女は政治が嫌いだ。自伝を読んだことがあるでしょ」とあきれた様子で語った。
「彼女は政治人間ではない」とした上で、もし出馬を決意したとしても、夫の理解を得られないだろうと指摘。「まずもって彼女は政治が嫌いだ。陰謀論好きな右翼の奇妙な執着だ。まったくもって狂気、純粋な狂気だ」と一蹴した。
2020年大統領選では、バイデン氏がオバマ氏によって押しのけられ、当時ニューヨーク州の知事だったクオモ氏が大統領候補に、ミシェル夫人がランニングメイトになるといった主張に対処しなければならなかったと振り返り、「私はトランプ支持者、大統領本人を含めて、これは全くもって狂気の沙汰だと告げたんだ。まず第一に彼女は政治が嫌いだ。今の生活が好きなんだ」と否定を繰り返した。
ミシェル氏の出馬を期待する声は民主党支持者の中にもくすぶっているが、現在出回っている投稿の多くは先月ニューヨークポスト紙に掲載された記事を引用している。
記事は、ニューヨークのゴシップ女王ことコラムニストのシンディ・アダムス氏によるオピニオンとして掲載されたもので、情報源を「ほとんどの人がアクセスできない信頼できる情報筋で、通常はメディアに持ち込まれるものではない」としている。
アダムス氏が聞いたところでは、オバマ氏は寄付者らに世論調査を行なったという。また、5月ごろにバイデン氏が出馬を断念することを発表し、8月の党大会でミシェル氏が指名を獲得する計画を考えているという。
こうした計画は現在調整中で、バイデン氏は本物の候補者のように振る舞っているのは、今発表するとレームダックになってしまうからだとも指摘した。
御年93歳のゴシップ界のレジェンドはこれで終わらない。2月6日の記事でもミシェル夫人に言及し、2022年にニューヨークで夫人に直接会った情報筋の話として、夫人が当時「出馬を計画している」と話したのは事実で、オバマ氏の調査も本当だと主張している。