警官のダンス活動に批判が殺到したことを受け、ニューヨーク市警察が釈明を行った。
20日、地元テレビ局の番組に出演したタリク・シェパード副報道官は、活動には警察局の資金や税金は使用されておらず、ダンス・チームは仕事後の、非番の時間にボランティアで活動していると説明。ストレスや精神的健康の問題に対処するために、バーのような場所ではなくダンスを見出した彼女たちを誇りに思うと述べ、「われわれは彼女たちを全面的にサポートしている」と擁護した。
ダンスチームの代表、オータム・レイン・マルティネス氏は、市警察にはバレーボールからバスケットボール、ゴルフなどあらゆるスポーツチームがあるとした上で、「私たちはプロのダンサーになろうとしているわけでない。私たちの中には一度も踊ったことがない人もいれば、生涯踊ってきた人もいる。みんなが望むことを安心して行えるように、みんなに合う振り付けをしている」と語った。
先週、マルティネス氏を含むダンスメンバーが同番組で活動を披露したところ、オンラインに様々な批判のコメントが寄せられていた。
あるユーザーはX(旧ツイッター)に「ニューヨーク市警にダンスチームは要らない。もっと多くの警官が必要だ」とコメント。「ニューヨーカーが911番通報しても、ダンスチームが練習中で誰も出てくれない」、「逮捕されて、ダンスチームが現れてこんなことをされるのを想像してみてよ」といったジョークも投稿された。
「市長は今年、1億ドルの追加予算を教育から削除したが、なんとかニューヨーク市警がダンスチームを広告宣伝するための資金を工面している」、「ニューヨーク市長が公共の無料の図書館の時間をカットして、警官のダンスチームを追加したって?非常に奇妙だ」、「これは冗談ではない。ニューヨーク市警には現在、ダンスチームがある。増え続ける犯罪との戦いに資源を利用する代わりに、こんなことに資金を費やす判断をしたのか」「移民危機が予算削減に導いている。どうやら、それらの削減の1つはNYPDダンスチームではなかったようだ」など、非難と皮肉が入り混じった声も上がっている。
左派を代表する若手議員、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス氏(民主党 ニューヨーク)も「このためにいくつの学校の音楽プログラムの資金が打ち切られたことか」と批判に加わった。
このほか、チームメンバーに対する体型差別的なコメントも散見される。
FOXニュースによると、ダンスチームは2022年に設立され、職員が勤務後のくつろぐ場として機能することを目的としている。週2~3回練習しており、学校や祝賀会といったイベントに参加し、市民にパフォーマンスを披露しているという。