11月の大統領選がバイデン氏とトランプ氏による再対決になる可能性がほぼ確実とみられるなか、民主党支持者の間で、新たな顔を求める声が広がっている。
2月26日に公表されたラスムセンレポートの世論調査によると、民主党の有権者の48%が、11月の選挙を前に党がバイデン氏に代わる候補を擁立することを支持すると答えた。
代替候補としてのトップはミシェル・オバマ氏で、960人のうちの20%が「バイデンよりも優れた大統領候補になる」と回答した。現職の副大統領、カマラ・ハリス氏は2位に甘んじ、15%だった。次いでヒラリー・クリントン氏が12%、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事が11%、ミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事が9%と続いた。
高齢のバイデン氏に対しては、健康面での不安が高まっている。ニューヨークタイムズとシエナ大学が先月実施した世論調査では、7割が国家を効果的に率いるには高齢すぎると回答した。3日に公表されたCBSニュースの調査で、精神および認知面の健康を備えているとしたのは26%と低水準に留まった。
両方の調査とも、トランプ氏がバイデン氏を支持率で4~5ポイント上回った。
民主党寄りの論客からも、代替案を推す声が上がっている。
ニューヨークタイムズのコラムニスト、デビッド・フレンチ氏は、2月11日に掲載のオピニオン記事で、バイデン氏の記憶力の低下を指摘した特別検察官レポートとその後の反論会見に触れ、11月の大統領選に懸念を表明。民主党は「異なる対応」を検討すべきと主張した。米政治サイトのポリティコも同月、民主党は交代を見据えたバックアッププランを用意するべきと警告した。
出馬の可能性を否定
現職に変わる代替候補しての期待の高まりが示されたミシェル夫人だが、本人の事務所は5日、NBCニュースに対する声明で、「ミシェル・オバマ元大統領夫人がこれまで何度も表明してきたように、大統領選に立候補しない」ときっぱりと否定。「ジョー・バイデン大統領とカマラ・ハリス副大統領の再選キャンペーンを支持している」とした。
夫人は以前から出馬の可能性を否定しており、2019年のアムトラックの車内誌The Nationalの取材でも、「チャンスはゼロ」と回答。「この国を改善してより良い世界を構築する方法はたくさんある」と述べ、「大統領執務室の机に座るのは、その一つに当たらない。私のためのものではないわ」と述べた。