トランプ前大統領は、英国のGBニュースのインタビューで、ヘンリー王子の米国での滞在資格の問題に触れた。
米国のビザ取得に際して、優遇措置や虚偽の陳述が認められた場合の対応について聞かれたトランプ氏は、移民当局が王子の麻薬使用について認識していたか調査しなければならないとしつつ、「彼が嘘をついていたならば、適切な措置が取られなければならない」と答えた。
適切な措置について「米国に滞在しないという意味ですか」と問われると、「わからない。君が教えてくれ。彼らはこれをずいぶん前から知っていたと思っているんだろう」と、国外退去の可能性を否定しなかった。
インタビュアーは、元イギリス独立党の党首で、トランプ氏とも親しいナイジェル・ファラージ氏が務めた。
2019年に国賓として英国を訪問したトランプ氏は、エリザベス女王の晩餐会の思い出に触れ、「私は女王が好きで、彼女は信じられないほどすばらしかった」と述べる一方、「彼女は彼らから非常に無礼な扱いを受けた。彼女は強くてスマートだから外には見せなかったが、傷ついていたと想像する。彼らが言ったことは酷かった」と語った。
ヘンリー王子とメーガン妃は王室離脱後、大物司会者オプラ・ウィンフリーとの独占インタビューやネットフリックスのドキュメンタリーシリーズ「ハリー&メーガン」などで、英メディアの報道のあり方や王室の体質を批判していた。
ヘンリー王子の滞在資格をめぐって、米国では法廷闘争に発展している。
首都ワシントンを拠点に活動する保守派のシンクタンク「ヘリテージ財団」は、ビザ発給に際して王子の薬物使用が適切に考慮されたかどうかに疑問を投げかけている。現在政府を訴え、ビザ申請書などの資料を公開するよう求めている。
王子は2023年1月に発売した著書『スペア』の中で、コカインやマリファナ、マジックマッシュルームなど違法薬物を使用した経験を告白している。
ワシントンD.C.の連邦裁判所は今月始め、書類の公開の可否を審査するため、国土安全保障省に資料を提出するよう命じた。
トランプ氏が王子のビザに言及するのははじめてではない。
先月、英紙エクスプレスの取材で、ヘンリー王子に対するビザ発給などの待遇は「親切すぎる」と不満を示し、「私なら彼を守らないだろう。彼は女王を裏切った。それは許されない。自分次第だが、彼はひとりぼっちになるだろう」と述べた。
英紙デイリーメールによると、国土安全保障省は3月17日に法廷に提出した文書で、提出期限を2週間延期するよう求めた。記録の調査に予想よりも時間がかかるとしたほか、判事に提出する前に、審査する必要があると説明している。