トランプ氏が所得税を廃止して関税に置き換える考え

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13日、首都ワシントンで共和党議員らと会合を行なったトランプ前大統領は、所得税を廃止できるよう「全関税政策」を導入する案を提示したという。

CNBCが会合に出席した人物の話として伝えたもので、トランプ氏は関税を悪質な国との交渉材料に利用する考えも示したとされる。

トランプ氏はこれまで、2025年末に期限を迎える所得税率引き下げを含んだ2017年税制改革法を延長する考えを表明しているほか、全輸入品に一律で10%の基本関税を課し、中国製品の関税率を一律60%超とする案を示唆してきた。

トランプ陣営は、共和党議員らとの会合の中身について明らかにしていないが、所得税を関税に置き換える案について、ネットでは早速批判の声が上がっている。

ワシントンポスト紙のコラムニスト、キャサリン・ランペル氏はXの投稿で、アメリカ人の下位40%が支払う連邦所得税はゼロ(またはマイナス)だと指摘。「おそらく彼らはトランプ氏の提案する関税を支払わなければならないだろう。つまり、これは低所得層・中所得層に対する大幅増税のように聞こえる」と主張した。同氏は先月掲載のコラムの中でも、同時点でトランプ氏が示していた所得税減税と関税引き上げの組み合わせは、高額所得者にとって減税効果があるが、下位80%の世帯にとっては実質的増税につながると分析を示していた。

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トランプ氏はこの日、上下両院の共和党議員らとの会合に加え、大手200社のCEOで構成されるビジネス会合にも参加した。同会合には約100人が出席したとされ、The Hillによると、出席者にはアップルのティム・クック氏、ウォルマートのダグ・マクミロン氏、ユナイテッド航空のスコット・カービー氏、プロクター・アンド・ギャンブルのジョン・モーラー氏、シスコシステムズのチャック・ロビンス氏の姿もあった。

トランプ陣営の報道官ジェイソン・ミラー氏は、同サイトの取材に、トランプ氏は会合の中で、「トランプ減税」を恒久化し、法人税率を20%に引き下げたいと述べたと明かしている。

Mashup Reporter 編集部
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