トランプ政権下で疾病対策センター(CDC)の所長を務めたウイルス学者、ロバート・レッドフィールド氏は、鳥インフルエンザがパンデミックを引き起こすのは「時間の問題」と警鐘を鳴らした。
ニューズネーションの番組でインタビューに応じたレッドフィールド氏は「いつかの時点でパンデミックが起きる可能性は非常に高い。問題は起きるかどうかではなく、いつ起きるかだ」と語った。
またヒト同士の感染による鳥インフルエンザの死亡率は、新型コロナウイルスよりも高いと説明。「おそらく25%から50%の死亡率だ」と述べた。
CDCは先月末、国内で3人目となる鳥インフルエンザ(H5N1型)のヒトへの感染例をミシガン州で確認したと発表した。感染者は以前の2例と同様、感染した牛に接触した酪農の労働者としている。また、WHOは今月、メキシコの保健当局からH5N2型の鳥インフルエンザウイルスによるヒト感染の死亡例の報告を受けたと明らかにした。
CDCによると、米国内の40の牛の群れでウイルスが確認されている。レッドフィールド氏は、牛の感染の増加を懸念しているとし、牛は豚と近い場所で生活しており、ウイルスが豚から人に感染するのに必要な受容体を獲得する可能性があるからだと語った。
2012年に実施された機能獲得研究で、科学者らは、鳥インフルエンザが新型コロナウイルスのように人間の受容体に結合する性質を獲得し、「ヒトからヒトに感染できるようになる」には、重要な受容体の5つのアミノ酸が変化しなければならないことを発見したという。
レッドフィールド氏は「ウイルスが人間の受容体に結合する能力を獲得するとヒトからヒトへ感染し、パンデミックが発生する」と説明。「私が言ったように、それは時間の問題だと思う」と繰り返した。
一方、ウイルスのスピルオーバーよりも、「機能獲得研究を通じて実験室の中で起きることが心配だ」とも主張。「2012年、反対したにも関わらず科学者らは実験をして、それを公表した。鳥インフルエンザを人間に非常に感染しやすくするレシピがすでにそこにある」と、人為的な問題でパンデミックが起きる危険に警戒感を示した。