27日にアトランタで開催された大統領選討論会に関して、民主党の政治アナリストは、米軍の防衛準備態勢で最も警戒レベルが高いとされる「デフコン1」に例え、今後の選挙活動に警鐘を鳴らした。
オバマ氏のキャンペーンマネージャーを務めたデビッド・プラウフ氏はMSNBCの番組で、司会のレイチェル・マドー氏らが抱いたバイデン氏に対する懸念に同調しつつ、「デフコン1(Defcon 1)的なモーメント」と表現。有権者の最大の懸念はバイデン氏の年齢にあったと述べつつ、「今夜、増大した」と評した。一方で、トランプ氏も浮動票の獲得は「大失敗した可能性がある」との見方を示した。
プラウフ氏は、トランプ氏はチャイルドケアやオピオイド危機に関する質問に回答を避けたことから、「多くの隙があり、彼を切り裂くことはできたはずだ」と指摘。バイデン氏の印象について、「両者の年齢差は3年だが、30年以上離れているように見えた」と述べ、「懸念のレベルは極めて高い」と語った。
主催者のCNNでも、討論会終了後の番組は暗い雰囲気に包まれ、出演者らは大統領選への不安を口にした。CNNのコントリビューター、ヴァン・ジョーンズ氏は、討論会は「老人対詐欺師」のようだったと振り返り、バイデン氏の様子も「痛ましいものだった」と語った。
ジョーンズ氏は、「彼は善良な人物で、国を愛し、ベストを尽くしている」と述べつつも、「国と基盤の信頼を修復するためのテストに失敗した」と指摘。8月に開催される民主党全国大会まで「この党には、別の道を模索するための時間は残されている」と新たな候補者の検討を求めた。
CNNの分析によると、討論会での虚偽または誤解を与える発言はバイデン氏が9回、トランプ氏は30回だった。ニューヨークタイムズのコラムニスト、ニコラス・クリストフ氏は、「トランプ氏の度重なる嘘を打ち破ることができず、重罪犯に討論会での勝利を許した」と述べ、バイデン氏に撤退を求めるオピニオン記事を掲載した。
一方のトランプ陣営は、バイデン氏との対戦に手応えを感じているようだ。討論会の直後に「素晴らしいディベート・パフォーマンスを発揮し、歴史的勝利を収めた」と声明を発表した。