15日に開幕した共和党全国大会では、モデルでラッパー、起業家のアンバー・ローズが登壇し、トランプ前大統領への支持演説を行った。
2人の子の母親のローズは、「われわれは皆、子供のためにより良い国を求めている」と述べ、「政治的背景に関わらず、われわれの子供たちにより良い生活を与えるための最善のチャンスは、ドナルド・トランプを大統領に選ぶことだ」と主張した。
また、これまで「トランプ氏は人種差別主義者だと左翼のプロパガンダを信じてきた」としつつ、「メディアはトランプ氏に関する嘘をついてきた」と批判した。
トランプ派になったきっかけについて、支持者の父親が誤っていることを証明するために「リサーチ」を始めたと説明。全ての集会を確認し、MAGAサポーターと交流を持ったことで「トランプと支持者は、あなた方が黒人や、白人、同性愛者やストレートであることを気にしていないことに気がついた」「彼らは私の仲間であり、ここが私の居場所だということを知った」と心境の変化を語り、退役軍人の父に感謝を述べた。
さらに、トランプ政権下でインフレはなかったと主張。「より安全に、より豊かに、より強く。われわれのポケットにお金を取り戻し、子供たちのお皿に美味しい食べ物を」とトランプ氏への投票を呼びかけた。
ローズは2008年、ラッパーのカニエ・ウエスト(イェ)と交際していたことで注目を浴びた。2016年の大統領選では、トランプ氏に批判的な立場を示しており、トランプ氏が当選した場合、カナダへの移住を仄めかしていた。
民主党が警戒
政治アナリストのヴァン・ジョーンズ氏は、CNNの番組で、ローズの演説を地中貫通型爆弾「バンカー・バスター」に例え、「民主党連合にとって、おそらく最も危険なスピーチ」と語った。
「有色人種の若い女性」であるローズのメッセージは、「多くの人々が体験してきたことや感情。つまり、リベラル派に囲まれていると、多大な非難を受け、思ったことを言えなくなる可能性」に言及したものだと説明。「非常にうまく表現した」と演説を評した。
さらに「彼女はここにいる誰よりもはるかに有名だ。これらの人々がわれわれの連合を破壊しようとしている意味においては、これはまさにバンカー・バスターだった」と警戒感を示した。
ジョージ・クルーニーやマイケル・ダグラス、カーディ・B、ザ・ロックことドウェイン・ジョンソンなどのセレブが、バイデン氏に大統領選からの「撤退」を求めたり、不支持を宣言したりする一方で、トランプ氏を支持するセレブやビリオネアが注目を浴びている。
暗殺未遂事件後、世界有数の富豪イーロン・マスク氏とビル・アックマン氏が正式にトランプ氏のエンドースを表明。ラッパーの50 Centは、自身のアルバムのカバー写真をトランプ氏の顔に変えたミームを投稿するなどして、支持を示した。