民主党に希望?トランプ氏 共和党全国大会演説ハイライト&反応

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18日、共和党全国大会の最終日にトランプ氏が満をじして登壇。大統領候補者の指名受諾演説としてテレビ史上最長とされる1時間半にわたるスピーチを行なった。

神が私を味方

「TRUMP」の巨大な電飾掲示を背景に登場したトランプ氏は、冒頭の数十分間を先日起きた暗殺未遂事件に費やし、それ以来テーマとして掲げている国民の結束を呼びかけた。

「4ヶ月後にはわれわれは素晴らしい勝利を得る。史上最も偉大な4年間が始まるのだ。われわれはともに、すべての人種、宗教、安全、繁栄、自由、肌の色、信条にとって安全、成功、自由の新たな時代を始める。社会の争いや分断は癒さなければならない。すぐに癒す必要がある。われわれはアメリカ人として一つの運命と宿命によって結ばれている。ともに栄え、またはともに崩れる」。

「暗殺者の弾丸はあと1/4インチで私の命を奪うところだった」と暗殺未遂事件を振り返り、「あちこちに血が流れていたが、それでも安全だと感じた。なぜなら神が私を味方しているからだ。そう感じたのだ」と語った。

あなた方の票を買収

今回の開催地であり、次期大統領選の重要州ウィスコンシンの有権者に対して投票するようダイレクトにアピールした。

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2億5,000万ドルを費やして雇用創出に貢献したと説明した上で、「君たちが11月にこれを思い出して、投票してくれることを願っている。私は君たちの票を買おうとしているのだ。正直に言っておこう」。

所得をうなぎのぼりにする

後半は普段の集会で話す内容を繰り返した。

政策面では、減税、チップの非課税、社会保障水準の維持、不法移民対策の厳格化といった支持基盤に受けのよい方針をアピール。「私の計画のもとで所得はうなぎのぼりになり、インフレは完全に消える。雇用は急速に回復し、中流階級がかつてないほど栄える。われわれはそれを非常に急速に実現する」。

レトリックは変わらず

不法移民を「侵略」と呼び、映画「羊たちの沈黙」の食人鬼レクター博士に例えるなど、恐怖を煽るレトリックは欠かさなかった。

「歴史上最大の侵略が今ここで起きている。彼らは世界中からやって来ている。南アメリカだけではなく、アフリカ、アジア、中東からもだ。・・・まさに侵略だ」。

「彼らは刑務所から来ている。精神病棟や精神病施設からやって来ている。私が言うので、マスコミはいつも注目することだが、羊たちの沈黙を見た人はいるか?故ハンニバル・レクターだ。彼は君たちを夕食に招待したいと思っている。それが精神病施設だ。彼らは施設を空にしている。われわれが今まで見たことのないテロリストの数がいる。悪いことが起きる」。

ちなみにレクター博士はフィクションだが、トランプ氏は「故」をつけて呼ぶことから、実話と勘違いしているのではないかという疑惑が以前からある。

メラニア夫人が登場

夫の裁判や逮捕時に同伴することなく、選挙集会にもほとんど姿を見せなかったメラニア夫人だが、最終日にようやく共和党カラーである真紅のドレスに身を包んで登場。スピーチを終えたトランプ氏に寄り添った。

トランプ氏「この旅に私の素晴らしい妻、メラニアが同行してくれたことを心から光栄に思う」。

民主党に希望?

癒しや結束を主題に据えたトランプ氏だが、脱線するように感じられることも多く、政敵を「クレイジー」呼ばわりするなど、いつもの言い回しに終始する場面も見られた。

会場でCNNの中継に参加していたオバマ氏の元側近で政治アナリストのデビッド・アクセルロッド氏は、「過去3週間ではじめて民主党にとって良いことが起きた。これはなぜドナルド・トランプが、会場の外では不人気であるのかをみんなに思い出させるものだ」と語った

バイデン氏に代わる有力候補の一人と目されるカリフォルニアのギャビン・ニューサム知事(本人はバイデン氏の継続を支持している)はXに、「つまらん。支離滅裂。嘘つき。われわれは彼を倒す」と決意をコメントした。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。