24日、バイデン氏が選挙から撤退して以来初となる選挙集会で、トランプ氏はカマラ・ハリス副大統領への攻撃を1時間半にわたって繰り広げた。
演説はノースカロライナ州で開催され、トランプ氏は冒頭、暗殺未遂事件後の党大会で見せた抑制されたイメージをやめることを宣言。
「撃たれたときに何かが起きて、私はナイスになったと言われている。でもこれらの人々、つまり非常に危険な者と対峙するときは、ナイスでありすぎてはいけない。それでは本当にダメだから、君たちがよければ私はナイスになるつもりはない。よろしいかな」。
なお、一部のメディアは、78年間にわたって磨き抜かれたトランプ氏の本能は簡単に変わらず、ナイスなキャラは長く続かないと予想していた。
トランプ氏は演説中、ハリス氏を「嘘つきカマラ」と繰り返し呼び、「アメリカ史上最も無能な極左の副大統領」「すべてのバイデン大災害を裏で牽引したウルトラリベラル」「我が国を破壊する過激左派の狂人」と、11月に勝敗を決するであろう相手を攻撃した。
批判の焦点は副大統領の期間をはじめ、サンフランシスコの検事時代からカリフォルニア州司法長官、上院議員時代の政策や言動などキャリア全般に及んだ。
「彼女は国境の皇帝になったが、国境に行ったことがなかった。・・・開かれた国境を通じて世界中から2,000万人の不法移民の流入を許した」
「副大統領としての決定票を投じて、半世紀で最悪のインフレを作り出した」
「カマラが触れるものはすべて災難に変わる。彼女の政策でサンフランシスコを破壊した」
「上院で最も左派の民主党議員にランキングされた」
「社会主義者が医療制度を乗っ取るバーニー・サンダースの32兆ドルの計画を共同提案した」
「すべての不法移民に対する税金で賄う無料の政府医療制度を支持した」
「数百兆ドルのグリーン・ニュー・ディール詐欺を共同提案した」
「メディケアを2,730億ドル削減する法案に決定票を入れた」
「気候変動を止めるために赤肉を違法にする法案を通過させたがっている」
などなど。細かく並べた上で、「サンフランシスコを破壊したように、彼女はわれわれの国全体を破壊するだろう」と主張した。
さらに、バイデン氏の撤退に際して「バイデンのメンタル能力についてカマラは厚かましく嘘をつき、どんなことにも嘘をつくならば、彼女は決して信頼されることはない」と主張。「悪徳バイデンと同様に彼女は指導者に相応しくない。一年で国を破壊するだろう」と語った。
AP通信によると、バイデン氏の撤退後、トランプ陣営や関係団体は、キャンペーンを始動したばかりのハリス側を25倍上回る広告費を投じるなど、攻勢を強めている。
こうした動きにハリス派からは警戒する声が上がっている。
”共和党反トランプ投票者”の共同創設者、サラ・ロングウェル氏は「世論はセメントのようなもので、最初は柔らかいが、その後に固まる」と指摘。「今後3週間が決定的だ。トランプ氏がハリス氏を定義づける前に、ハリス氏は自らを定義しなければならない」と警鐘を鳴らした。