テレビなどで政治コメンテーターとして活躍し、「世論調査界のノストラダムス」の異名を取るフランク・ランツ氏は7日、超党派の政治団体「ノー・ラベルズ」のオンラインイベントで、2024年大統領選の見通しを語った。
世論調査サイトRealClearPoliticsの平均値(10日現在)では、47.6%対47.1%でハリス氏がトランプ氏をわずかに上回っている。
ランツ氏は「共和党大会でのトランプ氏の優位性は消え失せた」と説明。「もし今日選挙が実施されると、ハリスがトランプを打ち負かすだろう」と述べた。
自身が実施したフォーカスグループへの調査結果を元に、バイデン氏には高齢不安や、将来のビジョンを提示しなかったことに対する不満があったが、ハリス氏には「情熱とエネルギー、興奮」があり、支持率を伸ばしていると説明した。
ハリス氏が、ペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ知事ではなく、ミネソタ州のティム・ウォルツ知事を副大統領候補に選んだことは「衝撃だった」という。
「彼は素晴らしい選挙運動家、遊説も朝飯前で、いつも笑顔で包容力がある。ハリス氏との化学反応もある」と評価した。ただし、激戦州の中で最も重要なペンシルベニアには勝利をもたらさないだろうと予測した。
トランプ氏が取るべき戦略は?
「選挙戦がインフレと移民に関するものであれば、ドナルド・トランプが勝つ。候補者の人柄に関するものであれば、カマラ・ハリスが勝つ」と説明。「トランプ氏は人として嫌われているが、有権者は政権に満足している。ハリスは好かれていない政権を代表しているが、有権者が強く求めるエネルギーと興奮がある。トランプにはそれを理解するほどの機転がないと思う」と見解を語った。
トランプ氏は依然、自らの支持基盤にとどまり続けているため、ハリス氏は中道に動く必要はないと指摘。トランプ氏が、自分に賛同する人々に語り続けるのは「彼がこの選挙に敗北する確実なやり方」と述べた。
互いに「カマブラ」「タンポン・ティム」「変人」など中傷合戦を繰り広げている両陣営について、「計算違いで、有権者を理解していない」と指摘。トランプ氏は「国境や経済で何が起きたのかを語り」、ハリス氏らがトランプ氏らを「変人呼ばわりするのは、戦術的には正しいが、戦略としては誤っている」だと述べ「正直、どうなるかは未知数」と語った。