レトリックと政治的暴力めぐる議論が再加熱、トランプ氏暗殺未遂事件

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トランプ氏のランニングメイト、JDバンス氏は17日、Xに投稿した長文で、トランプ氏の2度目の暗殺未遂事件の責任をハリス氏に求めるとともに、メディアはハリス氏の政策をめぐる議論を「検閲」していると批判を展開した。

7月のトランプ氏暗殺未遂事件から2ヶ月。レトリックや報道のあり方と暴力的事件の関連をめぐる議論が再びヒートアップしている。

バンス氏は、15日に起きたトランプ氏の2度目の暗殺未遂事件の容疑者は、ハリス氏の「民主主義は危機に瀕している」との主張に「同意し、まったく同じフレーズを使用した」と説明。「彼は自動車にカマラ・ハリスのバンパーステッカーを貼っていた。ウクライナの”民主主義のための戦い”に執着し、ロシア・ウクライナ戦争をめぐる多くの錯乱した見解を共有していた」と加えた。

その後、非難の矛先はメディアの扱いに。

NBCは「ゴルフクラブ事件」と呼び、USA TODAYは「トランプ氏が”自ら暗殺事件を招いた”」と主張する「突飛な」編集者宛の手紙を掲載し、CNNのキャスターはハリス陣営のレトリックは容疑者を動機づけなかったと主張したと指摘。さらに、PBSは、暗殺未遂を扱ったのはわずか30秒未満で、その後は「真の危険である私とトランプ氏に焦点を当てた。彼らによれば、私たちはスプリングフィールドの爆破予告に個人的責任がある」と続け、こうした「ダブルスタンダードは驚くべきことだ」と批判した。

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今月、オハイオ州スプリングフィールドで移民がペットを食べたという噂が出回った後、市内の学校に30件を超える爆破予告があり、複数の学校で避難する事態に発展した。噂は極右活動家や地元の共和党員、ネオナチらがオンラインで流布したものとされ、地元の警察は根も葉もない噂と否定している。それにも関わらず、トランプ氏は10日の大統領選討論会でその主張を持ち出し、バンス氏もXで拡散。人々を危険にさらしたとして、メディアや民主党から強い反発を招いている。

バンス氏によれば、メディアはトランプ氏や自身を脅威と煽る一方で、ハリス氏の政策の問題をめぐる議論を「検閲」している。

爆破予告を報道する一方で、殺人件数の増加やHIV感染者の上昇、移民の生徒で溢れる学校、自動車事故とそれに伴う保険料率の上昇、ハリス氏の失策は報じないとした上で、「目的はレトリックを静めることにあるのではない」「その目的は、気を逸らすことと恥をかかせることだ」と主張。「人々を安全にするためでなく、すべての人を黙らせるために考案されている、一種の道徳的な脅迫」と述べた。

選挙までの7週間、「我々は人々が自分の意見を述べる権利を強く守る」と続け、「その代わりに、全員に対して検閲を拒否するよう求める。他人の考えや主張を管理できるという考えを拒否してほしい」と訴えた。

報道のあり方をめぐっては、民主党の大物、ヒラリー・クリントンも参戦。バンス氏と正反対の主張を展開した。

17日、MSNBCのインタビューに応じたクリントン氏は、「マスコミは、トランプ氏に対して本来あるべき方法で報道していない」と批判。「暴言から暴言へととさまよい、トランプ氏がいかに危険であるかを一貫して報道することがなぜ難しいのか理解できない」と続けた。

さらに、「ハリー・エバンスという偉大なジャーナリストはかつて、ジャーナリストは客観性を達成するよう真に努めるべきだ、つまり、ジャーナリストは対象を報道すべきだ、と語った。この場合の対象はドナルド・トランプだ。彼の扇動、我が国と世界に対する彼の危険。それに固執しなければならない」と助言。「われわれは、罪のない人々の命を危険にさらし、アメリカの安全を脅かす独裁者とのロマンスの状態に戻るつもりはない。この非常に危険な男に、われわれの国と世界に危害を加えるチャンスを再び与えることはできない」と締めくくった。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。