米国のポップアイコン、ジャネット・ジャクソンのカマラ・ハリス氏に対して行った発言が、物議を醸している。
21日に掲載された英紙ガーディアンのインタビューで、ハリス氏について「黒人ではない」と主張。今年の米大統領選は「大混乱に陥るだろう」と予測した。
ジャネットは1989年発売のシングル「リズム・ネイション」で、人種差別や貧困、不平等をテーマに「人種の壁のない世界の実現」を訴えたほか、最近では、警官による黒人差別の抗議運動「ブラック・ライヴズ・マター」を支持していた。
記者から、米国で初めて黒人女性の大統領が誕生する可能性について質問を受けると、「みんなが何と言っているか知ってる?」と聞き返し、「彼女は黒人でない。それが私が聞いたこと。彼女はインド人だ」と答えた。
「両方だ」と訂正されたジャネットは、「父親は白人だ」「私は数日間テレビを見ていないが、父親が白人であることが判明したと聞いた」と回答したという。
記者は「この時点で打ちのめされた」と心境を綴り、ハリスの父親がジャマイカ人の経済学者で、彼女が5歳のときに母親と別れたスタンフォード大学の教授であることは既知の事実と指摘した。
ジャネットはさらに、米国は「有色人種の女性」の大統領を受け入れる準備が整っているかと尋ねられると、「わからない。本当に分からないので、答えたくない。いずれにせよ大混乱に陥るだろう」と回答。「平和的な政権移行」が実行されるかについても、「大混乱を招く可能性があるだろう」「いずれにせよ、われわれは様子を見守るしかない」と繰り返したという。
この発言に対し、SNSには「全くの見当違い。兄弟の脛かじり」「”私が聞いた話”というのは、”みんなが発言する戯言を信じている”と言っているのと同じ」「ニュースを見ていないのに、”そう聞いたって”おかしくない?」といった批判の声が寄せられている。
なお、トランプ氏は、7月に出席した全米黒人ジャーナリスト協会の会合で、ハリス氏の人種について「何年か前まで、彼女が黒人だとは知らなかった。彼女はふと黒人になった。黒人として認識されたいと思っている」と発言したことで、非難にさらされた。
「謝罪」巡って混乱
その後、代理人が発言への謝罪を表明したが、それを否定する代理人が現れるなど混乱が生じている。
記事が掲載された翌日、ジャネットの代理人と称するモ・エルマスリ氏が、ジャネットのハリス氏に対する発言は「誤情報に基づく」内容だとして、謝罪を表明した。
しかし22日に別の代理人が登場。PEOPLEに向けた声明で「マネージャーと名乗るモ・エルマスリは、ジャクソンのマネージャーでも代理人でもない」とし、謝罪は本人から発せられたものではないと主張している。