選挙まで40日間を切る中、ヒラリー・クリントン氏は、選挙直前にハリス副大統領を妨害する組織的な攻撃が行われる可能性があると警鐘を鳴らした。
PBSのインタビューで、ヒラリー氏は、「10月に全面的な攻撃があると予想している」と主張。「ハリス氏について、彼女がどんな人物で、何を主張し、何をしてきたかを歪曲し、悪用しようとする協調的な取り組みが行われるだろう」と語った。
続けて2016年の選挙期間中に出回り、飲食店が襲撃される事件に発展したピザゲートに言及。ネットの荒唐無稽な主張が右派のメディア、さらに主流派メディアの報道に流れることで「人々が信じてしまう」と述べ、「それが嘘であることを明白にするように懸命に努めなければならない」と、メディアに警告した。
ピザゲートは、悪魔崇拝をする民主党のエリート集団が首都ワシントンにあるピザ店、コメットピンポンの地下室で児童性的人心売買の組織を運営しているとする陰謀論で、これを信じたノースカロライナの男性が、自ら調査しようと武装して店に押し入り発砲事件に発展した。実際のところ店には地下室さえなかった。
2016年の選挙は、直前に疑惑やスキャンダルの数々が浮上した。トランプ氏については、2005年にテレビ司会のビリー・ブッシュ氏と女性に関して卑猥な会話していた録音テープ(通称アクセス・ハリウッド音声)が明るみとなり、謝罪に追い込まれた。選対部長のメールが漏洩、ウィキリークスによって公表されたヒラリー氏は、ウォール街で有料講演会をくり返していた事実やその発言内容が流出。さらに、大統領選討論会の前にヒラリー陣営に質問が伝わっていたことや、貿易協定に関する公的な立場と矛盾する発言をしていたことも発覚した。
選挙のわずか11日前には、ヒラリー氏の私用メールサーバー使用問題に関し、当時FBIの長官だったジェームズ・コミー氏が捜査の再開を公表した。公表は2016年最大のオクトーバーサプライズとも評され、ヒラリー氏自身、コミー氏のこの判断が、選挙の敗北につながったと考えているとされる。