CNNの政治アナリストは18日放送の番組で、トランプ氏=低い好感度を当然とする考えを改めなければならないと語った。
「私のように、ドナルド・トランプの不人気が既定路線だと思っている人はたくさんいると思います。しかし、よく聞いてください。ドナルド・トランプの人気が時間とともに下がっていると信じているなら、考えを改めてください。実際、彼はこの時点で、2020年や2016年の選挙戦よりも人気があります」。
ハリー・エンテン氏が示したデータによると、トランプ氏に対する「好感度」と「嫌悪感」の差は、依然としてマイナス領域であるものの、2016年の-27ポイント、2020年の-12ポイントから一桁台(-9ポイント)まで改善した。
エンテン氏はさらに、トランプ氏の好感度上昇を受け、ハリス陣営は戦略を変更していると指摘。
「カマラ・ハリス氏と選挙陣営には、これが本当の疑問として浮上している。なぜトランプ氏は2020年や2016年のこの時点でよりも今の方が人気があるのか。それが攻撃を激化させている理由だと思います。彼らはトランプ氏をここまで引き下げたいのです」。
ハリス氏は8月に行われた民主党の候補者指名受諾演説で、それまでバイデン氏が中心に据えていたトランプ氏は民主主義に対する脅威だとするメッセージを和らげ、「自由のための戦い」へとシフト。選挙活動のテーマ曲に選んだビヨンセの2016年のヒット曲「フリーダム」とともに登場し、新たなリーダー像をアピールした。スローガンの再定義について、当時専門家からは、無党派層やトランプ氏に不満を抱く共和党員の共感を得られる可能性が高く、正しい選択との指摘もあった。
支持率も一気に上がり、好調の出だしを飾ったハリス氏だが、トランプ氏に対する支持率の差は誤差の範囲を超えず、接戦続いている。RealClearPoliticsによる最新の集計では、7つのすべての激戦州においてわずかにトランプ氏にリードを許す結果となっている。
エンテン氏は「カマラ・ハリスの勢いは失速している」と指摘。「選挙運動で何かを変えなければならないと感じているのではないかと思います」と語った。
ハリス氏の最近の選挙活動では、トランプ氏に対する非難により重きを置いている。
18日にミシガン州で開いた集会では、後半の多くをトランプ氏に対する非難に費やし、観客の一部から「彼を牢屋に閉じ込めろ」と過激な掛け声が起きる場面もあった。
16日に出演したFOXニュースのインタビューでは、徹底したトランプ批判を展開。「民主主義が危機に瀕している」と声を荒げる場面もあった。この一方で、自身の経済政策について視聴者にホームページで閲覧するよう求めるなど、十分に説明する機会を逃した。