トランプ前大統領は20日、好物のマクドナルド店でフライドポテトを調理する姿をメディアに披露した。
トランプ氏が訪れたのは、ペンシルベニア州バックス郡フェスタービル・トレボースにある店舗。入店したトランプ氏は、テレビカメラの前で、ハリス氏がマックで働いていたという主張は「虚偽」だと説明した上で、マネージャーに「差し支えなければ、フレンチフライ部門で働きたい」と申し出た。「もちろんです」と答えるマネージャーに、「いくら払ってくれるの?」とジョークを飛ばした。
その後、ポテトを揚げ、塩を振り、パッケージに詰める一連の作業を体験。「(ポテトが)一度も人の手に触れないのはいいね、清潔だ」と感心し、従業員に向かって「いい肩しているね」「フェイクニュースの人たちにあげてもいいかい?」と気さくに語りかける姿が報じられた。また、「マクドナルドが大好きだ。良い仕事を見るのも好きだ」と述べる一方、「マクドナルドで働いていたと吹聴して回るのは不適切だ」とハリス氏を牽制した。
また、ドライブスルー越しに「これは自分が作ったものだ」「トランプのおごりだ」と声をかけるなど、支持者との交流をはかった。記者には、「私はカマラより15分長く働いた」と自慢。この日、60歳を迎えたハリス氏に「ハッピー・バースデー!カマラ」と述べるなど、終始上機嫌な様子を見せた。
エプロンをつけたトランプ氏の姿は、ネットで大きな反響を呼び、支持者からは「I’m Lovin’ It」「コマンダー・イン・ビーフ」「MAGAドナルド」などのコメントやミームが投稿された。一方、反トランプ派からは「単なるフォトオプ」「重罪で有罪判決を受けた人はマックで働けないはずだ」「敗北した後の姿と思うと最高に笑える」などの皮肉が寄せられた。
バイト経験は本当?
トランプ氏の異例の選挙活動は、中間層へのアピールとともに、ハリス氏のクレディビリティを傷つける狙いがあるとみられる。
ハリス氏はこれまで、学生時代のマクドナルドでのバイト経験を、ミドルクラス出身であることのアピール材料として利用してきたが、保守派の間では証拠がないとして就業経験を疑問視する声も上がっている。
保守系メディアの報道によると、ハリス氏が1987年にアラメダ郡地方検事局に提出した履歴書には、カリフォルニア州の上院議員の事務所でのインターンシップや連邦取引委員会の広報アシスタント、サンフランシスコの法律事務所での夏季事務員などが並んでいたが、マックについては記載がなかった。回顧録でもファストフード店でのバイトについては触れられていない。
ハリス陣営はこれに対し、1983年のハワード大学1年生の夏休み期間中、アラメダのセントラルアベニュー店で働いた経験があるとしている。フライドポテトの調理やアイスクリームの盛り付け、レジの業務に携わっていたという。
ニューヨークタイムズは20日、カナダのモントリオール高校時代の同級生の発言を掲載した。女性は、ハリス氏の母親が娘の夏のアルバイトについて話しているのを聞いたことがあると語っている。同紙は、マックでのキャンペーンは陰謀論的だと批判している。