バイデン氏が有権者とのオンライン会合で行った発言をめぐって、SNSにトランプサポーターから感謝の投稿が相次ぎ、Xでは「Thanks Joe」がトレンド入りした。
バイデン氏は、29日に開いたヒスパニック系の支援団体「Voto Latino」との会合で、トランプ氏の指導者としての人格を非難するとともに、2日前にマディソン・スクエア・ガーデンで開かれたトランプ集会に言及。
「彼の集会で演説した人がプエルトリコを”ゴミの浮島”と呼んだ」とした上で、「彼らは善良で、礼儀正しく、高潔な人々だ。私が世間で目にする唯一のゴミは、彼の支持者だ。彼のラテン系を悪者扱いするのはけしからん・・・・」と続けた。
この発言にあるユーザーは、「かつて私は単なる”嘆かわしい人間”で、今では”ゴミ”に格上げされた。ありがとう、ジョー!」と投稿。別のユーザーは「大統領が、自分の政敵を支持する同胞のアメリカ人を”ゴミ”呼ばわりするのは、国民が大好きな犯罪者を選出するのに役立つだけ。ジョー、助けてくれてありがとう!」と皮肉った。
「嘆かわしい人間(deplorable)」は、2016年の大統領選でヒラリー氏がトランプサポーターを指して用いた言葉で、憎悪を増幅させる発言として批判を招いた。
なお、ホワイトハウスはバイデン氏の書き起こしを公表し、”支持者”は「ゴミの浮島」発言をした人物に限定したもので、トランプ支持者全体に対するものではないと釈明している。
ハリス氏本人の発言ではないものの、タイミングも悪かった。
この日、ハリス氏は「最終弁論」と称して、議事堂襲撃事件の日にトランプ氏が演説を行なったホワイトハウス前の広場に登壇。「非難し合うのをやめて、腕を組んで立ち向かわなければならない。劇化や対立、恐怖や分裂に終止符を打つ時だ」と訴えていた。
トランプ氏もバイデン氏の失言を早速利用した。
SNSのアカウントを更新し、「カマラ・ハリスは憎悪のキャンペーンを展開している。彼女は今週ずっと、政敵を歴史上最も邪悪な大量殺人犯と比較してきた。そして今、何よりもジョー・バイデンが私たちの支持者を”ゴミ’と呼んでいる」と投稿。「国民を愛していなければ、アメリカを率いることはできない。カマラ・ハリスとジョー・バイデンは、どちらも米国大統領にふさわしくないことを示した」と非難を続けた。