デバンキングの脅威:メラニア夫人 銀行から閉め出されていた

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メラニア夫人は、2021年にホワイトハウスの生活から一般人へと戻った後、銀行口座を停止されるといった生活や事業活動に支障をきたす問題に直面していたという。

今年9月に発売した回顧録『メラニア』の中で、「長年利用している銀行が口座を閉鎖し、息子の新規口座の開設を拒否することを決断したことにショックと落胆を覚えた」と明かした。

理由について、「この決断は、政治的差別に根ざしているようで、公民権の侵害の深刻な懸念を引き起こすものだ」と主張。「党派に基づいて金融サービスが差し控えられるのは憂慮すべき事態」と続けた。

さらに、特別買収目的会社「メラニア・トランプテクノロジー」に対する投資会社のCEOとの交渉が頓挫したとも明かし、「上級マネジメントチームは互いの商業可能性を理解していたにもかかわらず、CEOの承認なくして進めることができなかった」と語った。

デバンキングの脅威

近年、フィンテックの起業家などを中心に、法的リスクや評判リスクを恐れる金融機関からサービスを停止される、いわゆるデバンク(debank)される人々が増えているという。一部で政府の働きかけがあるとの主張もある。

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もともと著名なソフトウェアエンジニアで投資家に転向したマーク・アンドリーセン氏が、先月27日に配信されたジョー・ローガンのポッドキャスト番組で話したところによると、過去4年間、仮想通貨をはじめとする金融系起業家の多くが金融機関から締め出しをくらった。

アンドリーセン氏は、デバンキングの背景について、オバマ政権下で政府の独立機関として設置された消費者金融保護局(CFPB)の存在を指摘。「(CFPBは)金融機関を脅迫して、大手銀行の新たな競争相手になる新しいスタートアップ企業を阻止している」と述べ、「デバンクキングの多くが、こうした機関から生じている」と語った。

さらに、「過去20年の改革の結果、公的地位を有する者 (Politically Exposed Persons:PEPs) と呼ばれるカテゴリができた」とした上で、金融規制当局によるPEPsの締め出しの要求は政治的右派の人物に集中しており、「左派が銀行から追い出されたという話は 1 件も聞いたことがない」と述べるなど、PEPsに厳格な管理を強いる金融規制が政治的動機に基づいて乱用されている可能性を示唆した。

アンドリーセン氏はまた、オバマ政権下で司法省がスタートした「チョークポイント作戦」にも言及。同作戦は政府にとって好ましくない業種に対する金融サービスの提供を規制するキャンペーンで、マリファナや売春、銃販売といった業界が標的とされてきたとされる。これがバイデン政権下で概念が拡大し、「テクノロジーの創設者、暗号通貨の創設者、そして一般的には政治的反対者に適用した」と語った。

マリファナ業界では、州レベルにおける娯楽用および医療用大麻の合法化の進展により多くのスタートアップが誕生したが、銀行取引やクレジットカード決済ができないなどの不都合に喘いできた。

アンドリーセン氏によると、「チョークポイント2.0」で銀行口座を奪われたフィンテックの創業者らは、キャッシュに頼らざるを得ず、タンス預金を余儀なくされるなどしている。こうした政府の取り組みが逆に、親仮想通貨姿勢を強調したトランプ氏の支持拡大につながったとの考えを語った。

アンドリーセン氏の主張について、次期トランプ政権の新設組織「政府効率化省(DOGE)」のトップに指名されたイーロン・マスク氏は早速関心を示している。Xの27日の投稿で、番組のクリップを共有しつつ、「30人のテック創業者が密かに銀行口座を剥奪されたことを知ってた?」とコメントを加えた。

米政治サイトのAxiosは、アンドリーセン氏の主張の正確性は不明する一方で、トランプ政権の2期目において「調査が進展する可能性がある」とするなど、今後議論が拡大する見通しを示した。

Mashup Reporter 編集部
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