トランプ氏復帰でヘンリー王子の滞在資格剥奪はあるのか

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回顧録スペア
©MashupReporter

トランプ大統領のホワイトハウス復帰に伴い、停滞したように見えたヘンリー王子の滞在資格をめぐる議論が再燃しそうだ。

英メディアによると、保守派のシンクタンクが王子の米国ビザ申請とその決定に関わる資料の開示を求めている裁判で、首都ワシントンの連邦裁判所判事は、原告側の要求を部分的に認める可能性を示した。また、被告の国土安全保障省に対して、資料の開示保留や部分的削除の要求を提出するよう伝えた。

判事は「プライバシーを侵害しない限り、最大の開示」を望んでいるとも述べたという。

シンクタンク「ヘリテージ財団」が、政府を訴えたのは2023年5月。情報公開法に基づき提出した王子のビザ資料の開示要求が不当に却下されたとして、不服を申し立てた

財団は、王子が著書やインタビューで、薬物使用の経験を暴露している点を踏まえ、米国の移民法では「一般的にそのような人物は米国への入国が認められない」と指摘。ビザ発給に際して政府が王子を特別扱いしたか、または王子が申請資料の中で薬物使用の事実を適切に開示しなかったのではないかと疑問を呈している。

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王子は2023年1月に発売した回顧録『スペア』で、マリファナやコカイン、アヤワスカなどの薬物を使用した体験を告白している。2016年には、ロサンゼルスにある女優コートニー・コックスの自宅で開かれたパーティーで、マジック・マッシュルームを服用したことも明らかにしている。

判事は昨年9月、王子は自身の移民ステータスに関して正当なプライバシー権を有しているとし、非公開のままとする判決を下した。これに対して財団側は、法廷闘争を継続する意向を示していた。

昨年、トランプ氏が再選する可能性に直面した王子は、自身のビザが取り消される可能性について法的アドバイスを受けたとも報じられていた

トランプ氏が王子を快く思っていないのは、これまでの言動から明らかだ。

昨年3月のGBニュースのインタビューで、2019年訪英時の故エリザベス女王との思い出にふれつつ、女王は王子から「非常に無礼」な扱いを受けた主張。「彼女は強くてスマートだから外には見せなかったが、傷ついていたと想像する。彼らが言ったことは酷かった」と語った。さらに、王子に対する優遇措置や虚偽の陳述が認められた場合、移民当局が王子の麻薬使用について認識していたか調査しなければならないとも説明。「彼が嘘をついていたならば、適切な措置が取られなければならない」と特別扱いをしない考えを語っていた。