1986年のスティーヴン・キング(Stephen King)の同名小説を映画化した秋の大作『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(IT)が、9月8日より北米4,103館で公開をスタートした。
子供達を食い物にするピエロが登場する「イット」は、スティーヴン・キングの作品中、最も恐ろしいと言われるホラー小説。映像化されるのは、1990年にミニテレビシリーズとして放映されて以来、2回目となる。本作は小説の前半部分から制作され、大ヒットホラー『MAMA』(2013年)のアンディ・ムスキエティが監督を務めた。
ホラー映画 史上最高のオープニング成績
北米の週末興行成績は、1.17億ドル(約128億円)となり、ホラー映画として、また9月公開作品として、歴代最高のオープニング成績を記録した。
この成績は、2011年公開のホラー『パラノーマル・アクティビティ3』(Paranormal Activity 3)の 5,260万ドルと、2015年9月公開のコメディ『モンスター・ホテル2』(Hotel Transylvania 2)の4,850万ドルの2倍以上の興行成績を収めたこととなる。
また、今年公開された作品のオープニング成績としては、ディズニー実写版『美女と野獣』、マーベルの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』に次ぐ3位を記録。
ロッテントマト(Rotten Tomato)では、批評家と観客ともに87%以上が満足している。CinemaScoreでは、観客(25歳以上が65%を占める)はBスコアをつけており、今後の口コミでの広がりも期待できる。(9月10日現在)
ワーナーブラザーズのディストリビューション・チーフを務める、ジェフ・フォールドスタイン(Jeff Goldstein)氏は、当初製作費の3,000万ドルから4,000万ドル(33〜44億円)くらいのスタートを見込んでいたというが、予想をはるかに上回る成績に「素晴らしい記録になりそうだ。最初の予告編を公開した時に、これは特別な作品となると感じていたが、本当にツァイトガイスト(zeitgeist)旋風を起こしたんだ」とVARIETY誌に期待を語った。
「イット」の予告編が初めて公開された後、24時間で1億9300万回再生され、話題となった。
スティーヴン・キングの長編小説を映画化した「ダーク・タワー』(The Dark Tower)は、マシュー・マコノヒー主演で8月に公開された。全米初登場1位を獲得したが、北米での国内興行成績は5,500万ドル〜6,000万ドル(60〜66億円)にとどまっている。
今年公開されたホラー映画、M・ ナイト・シャマラン監督「スプリット』(Split)とジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』(Get Out)は低予算ながら、興行的に成功を収めている。
来週は、ダーレン・アロノフスキー監督、ジェニファー・ローレンス主演のホラー映画「マザー!』(mother!)が公開される。
「イット」あらすじ
舞台は1980年代後半のメイン州にあるのどかな町、デリー(架空)。主人公のビルの弟のジョージは、激しい雨が降りしきる中、兄の作ってくれた紙の船を手に外にでかける。路上で船を走らせて遊ぶうち、船は下水に落ちてしまう。船を拾い出そうと下水を覗くと、そこにはペニーワイズと名乗るピエロが。ジョージを殺害し、下水へと引きずりこんでしまう。
その後、季節は夏に。学年を終え、休みに突入した少年達を次々と恐怖が襲う。ジョージの死を受け入れられないビルは、弟に扮したペニーワイズに地下室で襲われそうになる。また、父親の虐待に苦しむビバリーは、バスルームで大量の血を浴びる恐怖を体験する。不良少年から逃れて路地裏へと逃げたこんだ黒人のマイクは、そこでペニーワイズと遭遇してしまう。説明のつかない経験した少年達7人は、町の暗い歴史とともに、不可解な体験に共通するピエロの存在に気がつく。少年達は果敢にもペニーワイズの隠れ家に潜入を試みる。そこで彼らが、目にするものとは。
IT 詳細
邦題:『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』
監督:アンディ・ムスキエティ(Andy Muschietti)
原作:スティーブン・キング(Stephen King)
米国:2017年9月8日公開(公開中)
日本:2017年11月3日公開
公式サイト(日本版)
R指定作品