米小売大手のウォルマートは、スマートデバイスメーカーのAugust Homeと提携し、新たなデリバリーサービスを試験的に実施することを発表した。
新サービスは、顧客がオンラインで購入した商品や食材を、配達員が家の中まで配達するもので、食材に関しては冷蔵庫内に置くことまでを想定している。
同社Eコマース戦略・ビジネスオペレーション部門のスローン・エデルストン副社長の説明によると、配達時に顧客が不在だった場合、配達員はワンタイムパスワードでAugust Homeのスマートロックを解錠して家に入る。家主には、配達員がドアベルを鳴らした時点で通知が送られ、アプリを通して配達員の活動をリアルタイムでモニターできる。玄関入り口または冷蔵庫に商品を設置し、配達員が家を出ると、施錠のコンファメーションが家主に送られるという。
ウォルマート 新デリバリーサービス
現在のところ、新サービスはシリコンバレーエリアに住むAugust Homeのデバイスユーザーを対象に、小規模で実施している。エデルストン副社長は同サービスについて、「今すぐに、すべての人々のためにとはいかないが」と前置きをし、「お客様に現在進行中のテストに参加する機会を提供し、将来の消費がどのようになるのか、それを形作る手助けをしていただきたい」と顧客重視でサービス開発を行う姿勢を強調した。
アプリで監視できるとはいえ、キッチンの中まで他人が侵入するサービス。発表を聞いた人々からはセキュリティを問題視する声が上がっている。
「赤の他人に家の中や冷蔵庫を覗かれたくないわ。家の全てを晒すようなものよ。それよりも食料品のロッカー追跡のようなコンセプトがいいわ。ドライバーがグロッサリーを近所のロッカーに入れてくれれば、いつでも取りに行けるし、便利よ。さらにいいのは、自動運転車が近所を周回すればコストや時間を節約できると同時に、プライベートを犠牲にすることなく究極の利便性を得られるわ。」
「嫌いじゃないけど、どうやって配達員を信頼すればいいのかしら….」
「うーん、どうしちゃったのかなあ。自分がいない時に他人を家に入れようなんて思わないよ。馬鹿げてる。配達員はメンテナンス作業員でもなければ、僕の友達でもない。君たちは全くの他人を、責任保証のシステムもなく、プライバシー侵害の可能性に言及せずに送り込もうとしているんだよ。誰がこんなバカなことを、どうやって考えたんだ?」