ニューヨークのバス(MTA Bus)は、遅延や渋滞などで、サービスが悪化していると擁護団体のBus Turnaround Coalitionが調査結果を発表した。
同団体の発表によると、バスの利用数は2002年から2016年の間に18%減少。2016年から2017年の利用回数は、9億1,000万から8億8400万となり、過去15年間で最も高い下落率(6%減少)となった。
また、平均速度と信頼性を測定した結果、246ルートのうち、75%が基準を満たしていないという。最もサービスが悪いのはマンハッタン内のルートで、43のうち83%にあたる36がスコアFを記録し、最高点はスコアCのM60+、1ルートのみとなっている。
全体でスコアAを記録したのは全体で2ルートのみ(ブロンクスのBX29、クイーンズのQ35)。
利用者数は減少しているものの、平日は1日あたり200万人以上がバスを利用しており、LIRRとメトロノース鉄道(Metro-North)、ニュージャージートランジット(New Jersey Transit) を合わせた乗車数よりも多い。
最も遅いルートは
最も走行速度が遅いルートは、ミッドタウンの42丁目を走るM42で、平均速度は時速3.5マイル(時速5.6km)となっている。
次いで、ヨークビル(Yorkville)からミッドタウンウエストに向かうバスM31は、平均速度が時速3.7マイル(約6km)。
平均速度は、2015年の時速7.3(11.7km)マイルから、7マイル(11.3km)以下へと減速した。
ちなみに、人の歩く速度は時速3.1マイル(時速5km)と言われており、ルートM42のバスは、人よりも少し早い程度ということになる。
地元紙amNewYorkの記者が、最も混雑するブライアントパーク前からタイムズスクエアまで、バスと競争を行った。
寄り道をしながらでも人の方が早いという結果で、歩行することを推奨している。
走行は乗車時間の半分
問題の一つとして、バスは乗車時間の半分を赤信号か、バス停に停車していると同団体は指摘している。
赤信号での停車時間は21%、バス停での停車時間は22%となっている。
同団体はルートの見直しや、バスの優先道路の再設計、バスのパフォーマンスの透明性を開示することなど提案を行っている。
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