5月1日放送のゴシップ番組「TMZ Live」のインタビューで、カニエ・ウエストはアメリカの奴隷制を「選択」と発言。その場にいた番組スタッフが激しく非難するなど、論争に発展した。
トランプ大統領のMAGA(メイク・アメリカ・グレート・アゲイン)キャップをかぶった写真を公開した真意について聞かれ、カニエ・ウエストは、潜在意識で「私がもっていた感覚だった」と回答。続けて「我々は考え方や感じ方について教えられているが、我々は自分自身でどのように考えたらよいか知らない」、「人は自由に考えなさいというが、実のところ自由に考えて欲しいと思っていない」と、持論を展開。さらに、奴隷制の話を持ち出し「奴隷が400年も続いたというのは、選択だったかのように聞こえる」と語った。また「人々が皆、精神の面で(奴隷の立場に)囚われているかのようだ」とも発言した。
これに対し、TMZのヴァン・ラーサン(Van Lathan)氏が立ち上がり、「あなたが今行なっていることには、思考が欠如している」と述べ、「あなたは、自身が育んだ才能によって音楽を創作し、アーティストとなり、生活をしているが、一方、社会における我々は命の危険と戦わなければならない。あなたが「選択」といった、400年の奴隷制が生んだ社会の疎外に対処していかなければならない」と非難。ウエストの発言に「信じられないくらい傷つけられた」と語った。
同インタビューで、ウエストは、2016年に脂肪吸引手術を受けた後、医者の処方によりオピオイド中毒にかかった過去を告白。一週間の入院を余儀なくされ、同年のアルバム「The Life of Pablo」発売ツアーを短縮せざるえなかったと語った。
また、「トランプを敬愛している」、「トランプはラップの人気人物なんだ」と改めてトランプ大統領へのサポートを表明した。
放送後、ウエストは番組内の発言について、「もちろん、奴隷たちが拘束され、自由意志でボートに乗ったわけではないこともわかっている。」とツイート。また「なぜ400年について持ち出したかというと、我々は先の400年間も精神的にとらわれてはならないからだ」「いまこそ自由な思想が必要だ」と発言にいたった理由を説明。さらに「またも新たな見解を示したことで攻撃にさらされている」と述べた。