23日、ブルックリン地区のラファエル・エスピナル(Rafael Espinal)市議会議員は、ニューヨーク市内の店舗で、使い捨てプラスチックストローの使用を禁止する法案を提出した。法案が成立すると、バーやレストラン、フードベンダー、スタジアムなどの飲食店でのプラスチック製ストローの使用が禁止され、施行2年目以降は、違反した場合、100ドルからの罰金が課せられる。
法案提出にあたり、エスピナル議員は、「ニューヨーカーは、プラスチックストローは必要ないことを理解することが重要だ。」とし、「これらは贅沢品で、環境に悪影響を及ぼしている。」とニューヨークタイムズに語った。プラスチックの代替品として、アルミニウム製や紙、竹製のストローが使用可能だとしている。議員は、今年の4月にスペインの海岸で死亡したクジラの体内から、プラスチック製袋など30キロ近いゴミが発見された後、法案を提出する緊急性が高まったと述べている。
一部レストランでは既に禁止に
使い捨てストローを禁止するため、「Give A Sip」キャンペーンを行ってきた野生生物保護協会(Wildlife Conservation Society,WCS)は、エスピナル議員の法案を支持するとしている。副社長のジョン・カラベリ(John Calvelli)氏は、「2050年までには、海の魚の総重量よりも多いプラスチックの量になるだろう。」と警鐘を鳴らしている。現在ニューヨークでは、同キャンペーンに賛同した60社以上のレストランが、使い捨てストローの使用を禁止すると発表している。
トム コリッチオ(Tom Colicchio)のクラフティド・ホスピタリティ・レストラン(Crafted Hospitality restaurants)や、ダニー・マイヤー(Daniel Meyer)氏が運営するブルー・スモーク(Blue Smoke)やユニオン・スクエア・カフェ(Union Square Café)などユニオン・スクエア・ホスピタリティ・グループ(Union Square Hospitality Group)では、プラスチックストローの使用を中止すると発表している。
プラスチックストロー禁止のムーブメントは高まりを見せており、現在、米国の一部の街、マリブ、シアトル、マイアミビーチなどでは、プラスチックストローの使用が禁止となっている。世界でも、カナダのバンクーバーが禁止法案を可決し、スコットランドや、台湾などでも同様の動きが広がっている。
先月、ニューヨークのアンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)州知事は、プラスチック袋を禁じる法案を提出するなど、環境汚染を防止するための対策が進んでいる。