ホームレスとなって、シェルター暮らしを経験するなど、不遇な少年時代を過ごした青年が、授業料が満額免除される奨学金、フルスカラシップを獲得し、米国の最高峰のアイビーリーグ、ハーバード大学に見事合格を果たした。
フィラデルフィア北部のジラード・カレッジ(Girard College)に通うリチャード・ジェンキンス(Richard Jenkins)さん(18)さんは、学校の旅行先のパリで入学許可通知を受け取った。
合格発表の当日は、ナーバスな状態で彼女と長時間電話で話していたジェンキンスさんだったが、大学から送信された「ウェルカム」メールを見た時、嬉しさのあまり、携帯を部屋に放り出して、何度も叫んだという。「あまりに幸せで涙が出た。ついにやり遂げたんだ。」とその時の心境をPeopleに語っている。
ジェンキンスさんは十数校の大学に応募し、ほとんどの学校から入学許可を得たが、ハーバード大学は、彼の第一志望だった。
小学生でホームレスを経験
ジェンキンスさんは、小学生時代に2年間ホームレスとなり、母親と2人の兄弟と共にシェルターを転々とした経験がある。
6年生の時、友達に家の場所を尋ねられた時、シェルター暮らしを恥ずかしく思い、嘘をついたことがあるという。
将来の自分の子供には、このような思いをさせたくないという気持ちで、この時から勉強に本腰を入れ始めたと地元ラジオ局WHYYに語った。
ジェンキンスさんは、読書が勉強が好きだったため、同級生からは「本の虫」や(今思えば、偶然にも)「ハーバード」などと揶揄されていた。
13歳の時、シェルター暮らしをやめ、ようやく一家で家に移り住むことができた時は、学ぶことが本当に好きなんだと気付いた一方で、同級生にからかわれた時の憤りも感じたという。
世帯収入が6万5千ドル以下(約700万円)以下の学生は対象の、ハーバード大奨学金プログラムのプロモーションを受け取った後、入学を申し込んだ。
ジェンキンスさんには確証はなかったが、母親のQuiana McLaughlinさんは、あなたはハーバードに入学できると常に思っていたと、息子を信じ続けてくれたという。
学習については、非営利団体が運営するアフタースクールプログラム「マイティ・ライターズ」(Mighty Writers)で、小論文や批評などのライティングスキルを学んだことが、大学の入学テストに役立ったと述べている。
ジェンキンスさんは、8年生(中学2年生)の時、週に4日通い、その後はそこで2年間ボランティア活動を行った。
トンネルの先には光が
ハーバードへの進学という大きな夢をつかんだジェンキンスさんは、カレッジの卒業式で、卒業生総代(Valedictorian)を務めるという。
Peopleのインタビューで、苦労している若い人たちに対しては「しっかりと集中し続けてほしい。トンネルの先には必ず光が見える。」と励ましの言葉を述べた。
ジェンキンスさんは、大学でコンピューターサイエンスを学ぶという。
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