セリーナ・ウィリアムズ 全米オープン チュール付きウェアで華麗に初戦突破

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27日、全米オープン(US Open)が開幕を迎えた。初日は、第17シードのセリーナ・ウィリアムズが、アーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)に登場し、ポーランドのマグダ・リネッテ(Magda Linette)選手をストレートで下し初戦を突破した。

全仏オープンでは、ブラックのキャットスーツが大きな話題となったが、今度は、バレリーナのようなチュール付きのスカートに、ワンショルダーのアシンメトリーなウェアでコートに現れ、大きな話題となっている。

ヴァージル・アブローによるデザイン

ウェアは、ルイ・ヴィトンのメンズデザイナーでオフホワイト(Off-White)創設者、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)がデザインしたナイキ「クイーン・コレクション」(The Queen Collection)。女性的でありながら、戦士のような力強い印象を与えるウェアだ。

ヴァージル・アブローは、「セリーナは、我々の世代における最もパワフルで、インスピレーションを与えてくれるアスリートの一人だ。」と述べ、「彼女のスピリットを表現し、テニス界を魅了し、新鮮なものを心がけた。」とデザインについて語っている

全仏のキャットスーツが物議

セリーナ・ウィリアムズ
©Dana Gardner / Shutterstock.com

セリーナ・ウィリアムズが全仏オープンで着用したキャットスーツの衣装は、24日、フランステニス連盟(FFT)のベルナール・ジウディセリ(Bernard Giudicelli)会長が、セリーナ・ウィリアムズ(Serena Williams)の衣装は、「度を越したもの」であり、今後着用は認めないとテニス雑誌に述べ、物議を醸していた。

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AP通信によると、ジウディセリ会長は「会場と試合に敬意を示すべきだ。」とし、全身白の着用を義務付けるウィンブルドンほどは厳格ではないものの、ローランギャロスでも「一定の制限を課す」予定としている。

この騒動に対して、全米オープンの開幕を前に開催された25日の記者会見で、セリーナ・ウィリアムズは、「ファションに関しては、もう犯人になりたくないわ。」と冗談を述べ、「みなさん、大丈夫ですよ。」とウェアの件は話し合いがついており、現在は会長とも良い関係を築いていると述べた。

復帰を象徴するウェア

セリーナ・ウィリアムズ、昨年9月、長女のオリンピアちゃんを出産後、全仏オープンで公式戦復帰を遂げた際にブラックのキャットスーツを着用した。
初戦でクリスティナ・プリスコバ(Kristyna Pliskova)と対戦し、フルセットの末、7-6 (7-4) 6-4で勝利を収めている。

セリーナ・ウィリアムズは、スーツを着ると「スーパーヒーローになったように感じる」と感想を述べている。また、アフリカ系のスタッフやキャストを起用し大ヒットした映画「ブラックパンサー」になぞらえ、「ワカンダのクイーンの戦士になったみたい」と自らをスーパーヒーローになぞらえ、冗談めかして語るなど気に入っている様子を見せていた。

セリーナ・ウィリアムズは、出産後、生命を脅かす可能性のある血栓症を患っていたことを明かしている。パンツスタイルのスーツは、血液の循環を良くする機能もあるとという。
「このスーツを妊娠から逞しく回復を遂げた全てのママに捧げる」と母親らにエールを送っていた。

テニスのレジェンドやナイキもエール

ジウディセリ会長の発言に対し、異議を唱える人も多い。テニス界のレジェンドで、女性の権利のアクティビスト、ビリー・ジーン・キング(Billie Jean King)氏は、「女性の体に関して監視を行うのは終わりにすべき。払われるべき「敬意」は、セリーナ・ウィリアムズがゲームにもたらす、特別な才能に対してであって、彼女の試合のウェアについて非難するのは、誠に無礼だ。」と会長の発言を強く非難した。

スポンサーを務めるナイキは「スーパーヒーローのコスチュームを奪ったとしても、彼女からスーパーパワーを奪い去ることはできない。#justdoit」とツイートでエールを送った。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。