ニューヨークのソロモン・R・グッゲンハイム美術館は10月12日より、スウェーデンの女性画家、ヒルマ・アフ・クリント展(Hilma af Klint: Paintings for the Future)を開催する。
ヒルマ・アフ・クリントの単独展としては米国初となり、カンディンスキーやマレーヴィチらに先駆けて抽象絵画を創造した1906年- 1920年の作品群に焦点が当てられる。
ヒルマ・アフ・クリント(1862-1944)はストックホルム生まれ。王立アカデミーで芸術を学び、1887年の卒業後は画家としての地位を確立し、スウェーデンの女性芸術家協会の幹事を務めた。この頃、同時代のスピリチュアルブームや科学進歩などの影響から、心霊主義(スピリチュアリズム)や神智論に傾倒するようになり、これらの思想が自身の作品へと昇華されていった。同時代の画家らは新たな時代を宣言し、広く展示を行う一方、彼女はこれらの作品をプライベートにとどめ、死後20年間公にしないように要求していたという。展示では、様々なスタイルを用いてスピリチュアル世界や体験を表現する試み「The Paintings for the Temple(1906-1915)」や大型作品群「The Ten Largest(1907)」など、豊富な作品群、スケッチや手書きノートを通して、抽象絵画の先駆者の世界に迫る。
Hilma af Klint: Paintings for the Future
於:ソロモン・R・グッゲンハイム美術館
1071 5TH AVE, NEW YORK, NY(88TH & 89TH ST)
期間:2018年10月12日-2019年4月23日
同時開催:R. H. Quaytman: + ×, Chapter 34