ワシントンポスト紙がトルコ政府関係者の話として報じたところによると、サウジ国籍のジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏(Jamal Khashoggi)が、10月2日にイスタンブールにあるサウジ総領事館に入館後に行方不明となった問題について、トルコ政府は殺害を裏付ける音声とビデオテープがあることを米政府高官に告げたという。
音声は総領事館内部から録音されたもので、匿名の関係者によると、カショギ氏とアラビア語を話す複数の男性の声が記録されており、「彼(カショギ氏)がどのように尋問、拷問、殺害されたか聞くことができる」という。また別の人物は 「カショギ氏が暴行される様子を聞くことができる」と述べている。
テープの存在は、サウジ政府がカショギ氏を殺害したとするトルコ政府の主張を説明するものだが、トルコ国内における外国組織に対するのスパイ活動があきらかになるのを恐れ、トルコ政府高官はテープの公開を警戒しているという。米政府高官がビデオまたは音声テープを視聴したかは不明だが、トルコ政府関係者は米国側にテープの内容を伝えているという。
11日、トランプ大統領はFOXニュースのインタビューに電話で出演。カショギ氏の失踪に関し、上院議員らが米国からの武器販売の制限など、制裁を視野に入れた調査を求めていることについて聞かれ、「それは我々に損害を与えることになると思う。我々は仕事があり、この国で起きることと多くのことで繋がっている。かつてないほど経済的に良い関係にある」と述べ、「一部は皆が必要とする防衛システムのために行なっている。率直に言って、我々の国にとってとても難しい事柄だ」と、サウジ側の犯行であった場合の対応について、明言を避けた。
これまで、サルマン皇太子を含むサウジ政府関係者は、疑惑を否定し、カショギ氏は総領事館に入館後、間もなく建物を後にしたと主張。ホワイトハウスは、ジョン・ボルトン大統領補佐官(安全保障問題担当)とジャレッド・クシュナー大統領上級顧問、マイク・ポンペオ国務長官が皇太子と話し合いを行なっているとしている。