『ビッグ』や『レナードの朝』、『プリティ・リーグ』などで知られる映画監督、ペニー・マーシャル(Penny Marshall)氏が17日午前、ロサンゼルスの自宅で死去した。75歳だった。
エンターテインメント・ウィークリーによると、死因は糖尿病による合併症だという。
女性監督として初めて1億ドルの興行収入を突破
女優としてキャリアをスタートさせたマーシャルさんは、主演を務めたシットコム『ラバーン&シャーリー』(Laverne & Shirley)が、8年間続くヒット作品となった。その後、監督業へと転向する。
トム・ハンクスが主演を務めた映画『ビッグ』(Big,1998)では、ハリウッドの女性監督として初めて興行収入1億ドル(112億円)を突破した。
ロバート・デ・ニーロ主演の『レナードの朝』(Awakenings,1990)は、作品賞や主演男優賞、脚本賞の3部門にノミネートされた。
その後公開された、全米女子プロ野球リーグ設立を題材とした映画『プリティ・リーグ』(A League of Their Owm,1992)も、興行収入は1億3,200万ドル(約150億円)を達成するなど、ヒット作品を世に送り出した。
マーシャルさんは1942年、ブロンクスのイタリア系アメリカ人の家庭に生まれた。
当初は、兄のゲイリー・マーシャル(Garry Marshall)が共同脚本を務めたコメディ映画「How Sweet It Is」(1968)でスクリーンデビューするなど、女優として活躍。
その後テレビシリーズの『おかしなカップル』や『ハッピーデイズ』などに出演した。
1976年から1983まで8年間放送されたABCの人気コメディ『ラバーン&シャーリー』(Laverne & Shirley)で、マーシャルさんは3回ゴールデングローブ賞にノミネートされた。
1986年公開の映画『ジャンピン・ジャック・フラッシュ』(Jumpin’ Jack Flash)で監督デビューを果たす。
『プリティ・リーグ』以降、『勇気あるもの』(Renaissance Man,1994)、『天使の贈りもの』(The Preacher’s Wife,1996)、『サンキュー、ボーイズ』(Riding in Cars With Boys,2001)を監督するも大きなヒットには繋がらなかった。
その後は、友人であるロン・ハワード監督『シンデレラ・マン』(Cinderella Man,2005)や、故ノーラ・エフロン監督の『奥さまは魔女』(Bewitched,2005)などのプロデュースを務めた。
スポーツ観戦を好み、晩年はレイカーズやヤンキースを応援する姿がコートや球場で目撃されたという。
『ビッグ』や『プリティ・リーグ』などで共演したトム・ハンクス(Tom Hanks)や、元夫のロブ・ライナー(Rob Reiner)監督も別れを惜しんだ。