メキシコ国境の壁の建設費用の予算承認をめぐり、民主党が激しく抵抗するなか、フロリダ在住の男性が一つの解決策を提案した。
イラク戦争で両足と右腕を切断する怪我を負った退役軍人のブライアン・コルファージ(Kolfage)さん(37)は、クラウドファンディングGoFundMeで、トランプ大統領の公約を実現するため、資金調達ための活動を16日に開始した。
「We The People Will Fund The Wall」と名付けられたキャンペーンは、目標金額が10億ドル(約1,120億円)に設定された。この活動は、FOXニュースなどのメディアでも紹介され、3日間で約200万ドル(約2億2,500万ドル)以上が集まっている。
コルファージさんは、「トランプ大統領に投票した6,300万人が80ドル(約9,000円)づつ寄付すれば、(トランプ大統領が必要とする壁建設予算)50億ドル(約5,600億円)を調達することが可能だ。」とサイトで呼びかけている。
また、「民主党はあらゆる手立てを講じ、プロジェクトをやめさせようとし、政治的なゲームでトランプの勝利を阻むだろう。」と述べ、「我々がこの壁の資金の大部分を調達することができれば、事は急速に進む。トランプが政治家から確保すべき金額はより少なくなるだろう。」と綴った。
コルファージさんは、トランプ政権にも連絡を取っており、資金が他の用途に使用されないよう法律事務所などを手配しているという。キャンペーンが未達成となった場合は、支払われた募金は払い戻しされる。
建設費用は最高で8兆円との試算も
政治系ウェブメディアのポリティコによると、壁の建設には120億ドル(約1兆5,000億円)から200億ドル(2兆2,500億円)の費用がかかるといわれている。また、民主党上院議員向けの報告書では、最高で700億ドル(約7兆8,000億円)と見積もられている。
米国で、一般人からの大規模な資金調達が行われた例として有名なのは、自由の女神の台座建設が挙げられる。ジャーナリストのジョーゼフ・ピューリツァー(Joseph Pulitzer)氏が自身の新聞「ニューヨークワールド(New York World)紙で募金を呼びかけ、10万ドル以上の資金調達に成功した。募金金額のほとんどは1ドル以下だったという。