ニュージャージー州は米国で初めて、アカデミー賞を合法的なスポーツ賭博(Sportsbooks)の対象として承認した。
米連邦最高裁判所は昨年5月、1992年のスポーツ賭博を禁じる法律(PASPA)は違憲とする判決を下した。ニュージャージー州は2011年よりスポーツ賭博を合法化し、修正第10条違反を根拠にPASPAは違法だとして、法廷闘争を続けてきた。最高裁の判決を受け、今年1月スポーツ賭博を合法化した。現在では8州でスポーツ賭博が実施されている。
賭けをするには?
ニュージャージー州にあるカジノ場やオンラインを通じて賭けることができる。DraftKingsや、SugarHouseのように作品賞のみを対象とするものや、BetStarsNJ、William Hill、FanDuelのように6部門以上が対象など、場所によって異なる。
NYポストによると、FanDuelなど、位置を確認するサービス「GeoComply」を通じて購入することとなっているため、オンラインでも物理的にニュージャージ州に行く必要がある。
AP通信によると、スポーツ賭博は、フットボールなどでは100万円から1,000万円台まで賭けることもできるが、オスカーに関しては、1つの賭けにつき、上限500ドル(約5万5,000円)となる。
fanduelでは、作品賞は、アルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』がオッズが低く、副大統領のディック・チェイニーを描いた伝記映画『バイス』が最も高い。
作品賞が有力視される『ローマ』(-340)は、賭け金10ドル(約1,000円)で2.94ドル(330円)しか勝つことができないが、大穴の『バイス』(+10000)では、勝ち金は1,000ドル(約11万円)となる。
大ヒットした『ボヘミアンラプソディー』は、勝ち金340ドル(約37,500円)となっている。
PlaySugarHouse.comのマティス・スティッツ(Mattias Stetz)最高経営責任者は、「スポーツのファンでない人も、ビンゴやルーレットゲームのように楽しんでもらえる。オスカーファンが新たな顧客となり、好きな映画に賭けることで、授賞式の視聴をより刺激的な体験としてくれると期待している。」とAP通信に語っている。
アカデミー賞授賞式は、現地時間2月24日夜(日本時間25日午前)に開催される。米国ではABC、日本ではWOWOWで放送される。
ニュージャージー州の賭博施行部門(DGE)は1月下旬、当初試験的に1年のみ導入すると発表した。その後2月に取り下げを指示したが、現在賭けは再び受付されている。
なお、ラスベスのあるネバダ州では未だかつて、オスカー賭博は実施されたことはない。2012年州によって承認を却下されている。ネバダでは、この4年間でスーパーボウルMVPや、大学フットボール大会のハイズマン賞(Heisman Trophy)、バスケットボールのAL、NL MVPなどが賭けの対象として承認されてきた。