米ギャップ(Gap Co)は1日、傘下のファミリーブランド「オールドネイビー」(Old Navy)を別会社とし、2社の独立した株式公開企業を設立すると発表した。
新会社は、「ギャップ」ブランドのほか、「バナナ・リパブリック」(Banana Republic)、スポーツブランド「アスレタ」(Athleta)、セレクトショップ「インターミックス」(Intermix)、昨年スタートしたメンズのスポーツウェア「ヒルシティ」(Hill City)で構成される。
ロバート・フィッシャー(Robert Fisher)取締役会議長は、「ギャップ社の取締役会で包括的レビューを行った結果、オールドネイビーのビジネスモデルと顧客は、時と共に(ギャップなどの)専門ブランドとますます分岐していることが明らかとなった。お互いの企業は、今後の繁栄のため、異なる戦略を必要とする。双方のブランドにとって、分社化としての道を歩むことが、最も説得力のある道筋であると決定した。」声明で述べた。
1994年にスタートしたオールドネイビーは、年間売上80億ドル(約8950億円)で、一方の新会社のブランド全体の売上は90億ドル(約1兆円)となる。
ギャップ社のアート・ペック(Art Peck)最高経営責任者(CEO)が新会社を率い、オールドネイビーは現CEOのソニア・ シンガル(Sonia Syngal)氏が引き続きCEOに就任する。
2年で230店舗を閉鎖
AP通信によると、契約の一環としてギャップブランドは、2年間で230店舗を閉鎖する。現在ギャップは全世界に1,242店舗、そのうちの785店舗は北米にある。閉店の多くは、北米エリアになる予定だとペック氏はアナリストに語った。
別会社の発表後、ギャップ社の株価は時間外取引で25%上昇した。
CNNによると、オールドネイビーの開店後1年以上の既存店売上高は、昨年比3%増だった。一方ギャップは5%減となった。店舗閉鎖を行っているバナナリパブリックの業績は、改善している。
1969年創業のギャップは、20世紀後半のモールブームと共に大きく売上を伸ばした。しかし、ミレニアル世代にアプローチすることができず、ギャップの顧客は、安い価格帯と流行のスタイルを展開してきたリーバイスやターゲット、H&M、Zaraなどに奪われたとしている。